日報20220315_カレーいりますか事件
先日、嫁に連れられて人生初のスイーツパラダイスに行ってきました。
店内BGMにニコニコ動画全盛期のボカロ曲が延々と流れる中、たくさんの女性客がお気に入りのアクスタやらぬいぐるみやらと一緒にキャイキャイしながら写真を撮っており了解と思った。
カレーが美味しかった。
そんな女の子たちの笑い声/バイキング形式/カレーという要素が重なり、とある苦い記憶が蘇った。ずいぶん昔、中学時代に家族と旅行に行った時のこと。場所は忘れたが、宿泊したホテルのバイキング会場での出来事だ。
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そのホテルでの夕飯が”いわゆる”なバイキング形式だった。会場内を物色していると「カレーライス」の立て札が目に入った。鍋の前には少し人が並んでいるが、良かろうと思い自分もその列に加わる。
先頭の客が炊飯器から米を継ぎ、鍋からカレーを盛り、お玉を戻して立ち去る。その次の客も炊飯器から米を継ぎ、鍋からカレーを盛り、お玉を戻して立ち去る。ごく一般的なホテルバイキングの風景である。
そんな流れで徐々に列が進んでいき、自分の前に並んでいた女性客がカレーを盛り終わった時だった。その女性客がお玉を持ったまま自分の方を振り返り、こちらの目を見ながら
「カレーいりますか?」
と話しかけてきた。
“「カレーいりますか?」”????????
…は?
いや、いるが。
というかカレーがもらえる行列に並んでおきながらカレーがいらないことってある?
補足しておくと、カレーの鍋の側にシチューやハヤシライスの入った鍋があったわけではない。
この話を構成しているオブジェクトは
「カレーが入った鍋」と「そこに並んでいる人間達」
だけである。
予期せぬ真意のわからない質問に若干戸惑いながらも
「はい」
と答える。いるので。
それ以外に答えようがない。
数秒、お互いの顔を見合いながら停止する時間が生まれた。
直後に
「いや笑、早くお玉持ってください」
とその女が持っていたカレーをすくう用のおたまを強めに差し出してきた。
なんでだよ。
前の人もそうしてたように普通に鍋肌にかけていってくれればいいが。
何故バイキング形式のカレーのおたま如きで知らんやつとコミュニケーションを取らないといかんのだ。
どうにも釈然としないままお玉を受け取り、カレーをよそってお玉を鍋肌にかけて家族のテーブルに戻る。着席すると左斜め前の方に先ほどの謎質問女が座っているのが見えた。三人組での旅行らしくテンションが上がっているのか声がデカい。内容までこちらにはっきり聞こえてくるぐらいのデカさだ。微笑ましいを通り越してシンプルにうるせえと思っていた時、その会話が耳に入ってきた。
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「てかさwwwwwwさっきカレー取りに行った時、後ろにいた子にお玉渡そうとしたらカレーかけてもらえると思って待ってんのwwwwwww超ウケないwwwww????」
「やばwwwww何考えてんのそいつwwwwwwwwwwwwww」
「めっちゃウケるんだけどそれwwwwダッッッッサwwwwwwww」
言いたいことが、3つある。
一つ
これまで列内で脈々と受け継がれてきた”カレーをよそったら鍋肌にお玉を戻し無言で立ち去る”というルールを崩して、お前の独自ルールである
”自分と同じくカレーが欲しくて列に並んでいる人間に対してカレーが欲しいか聞き、欲しいと言われた場合にはお玉を手渡す”
を適応し、事故的空白を引き起こした根源的な責任の所在は10:0で貴様サイドにあるということ。
二つ
貴様の視野の狭さと想像力の欠如によって”バイキング会場で他人にカレーをかけてもらえると思っている中学生”に勝手に仕立てられた挙句に内輪ネタで消費された“最悪の役満”がエピソードとしては忘れてもいいぐらい小規模な話の割にしっかり嫌な記憶として定着し、未だに脳の容量の一部を無意味に圧迫しているということ。
三つ
というかどっちにしろ”カレーを知らん奴によそってもらいたい奴”なんかこの世に存在するわけないだろ。
「何考えてんのそいつwwwwwww」じゃねぇよ。
いねぇんだよそんな奴は。
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このテの話の嫌なところは、話の腰が脆弱すぎて誰かに対面で話すときにもネタとして使えないことだ。小さいことを延々と気にしているみみっちい人間と思われるリスクしかない。(まぁその通りなんですが)
その点noteはいいよね、基本誰も聞いてないしこんな話をしてもスベったかスベってないかはこちら側には分からないので。
嬉しい