紅茶とあなたの匂いが好きだから
今日、夜走っていると、どこからか花火の音が聞こえてきた。
どこを見渡しても大輪の花は見えないけれど、何となく花火の音だけがこだまする夜もそれなりに風流で。
ただ、音が響くなかを走っていると、最初は花火の音だと思っていたのに雷の音にもどこか似ている気がした。えらい違いだ。
それに、姿が見えないだけで、まったく別のものに錯覚してしまうのは、何だかこの世のことわりを表しているようで、ちょっと複雑な気持ちになった。
真実はわからないままだけど、できれば遠い場所で打ち上げられた