「ラヴニカのギルド」リミテッド環境ガイド
authored by Shuhei Nakamura
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(目次)
■「ラヴニカのギルド」全体の印象
■クリーチャーのマナレシオ、除去、土地枚数(途中から有料となります)
■多色化について
■ドラフトの際のピック指針
■各アーキタイプ(ギルド)解説
■「ラヴニカのギルド」全体の印象
一言でいうなら、
「カードが弱い。」
近年、いやここ10年で最弱。とにかく無い無いづくし、これまでコモンでお約束的に用意されていたカードすら無い。思いつくまま挙げてみると、
【白】全体強化が無い。また地味ながら解呪系がコモンに無い。
【赤】《ショック》のような軽量インスタント除去が無い。
【黒】墓地回収が無い。
【青】《予言》が無い。
【緑】そもそも誇れるものを持っていないのでセーフ。・・としようとしたが、マナ加速が無くなっていたからアウト。
と、いう調子。
この中で一番衝撃を受けるのが墓地回収がないこと。ほとんどのクリーチャーが一期一会で、うっかり序盤の「諜報」でフィニッシャーを落としすぎるとライブラリーアウト負けが見えてくるなんてザラにあったりする。なお、マナ加速があったとしてもこの環境だと使わなそう、というのは蛇足。
クリーチャーも大概弱いが呪文がこの通りなので、構築においては、イゼットの一部を除いてクリーチャー過多推奨。素直にR&Dが考える「各色ギルドでこうしなさい」というアーキタイプデッキを作るのが最善というのが今現在での結論。もっと踏みこむと「5ギルドそれぞれの、構築におけるカードの取捨選択」が環境理解のレベル1だと考える。
なお、5ギルド以外の色の組み合わせを選択するのはかなりの縛りプレイ。ここまでカードが弱い環境だと、比較的強いカードがあるマルチカラーの恩恵と、何より各ギルドのキーワード能力シナジーを半ば捨て去る事は本当にマイナス。
そんな具合で、全体的に低いカードパワーのせいで、特定のコンボにたどり着いた/それを防いだ/相手が出来なかった、といったパターンになりやすく、ダブルマリガンくらいしていてもゲームが長引いたり、果てにはあっさり勝ててしまったりする。
■クリーチャーのマナレシオ、除去、土地枚数
環境のマナレシオは、
2マナ:2/2 or 1/3
3マナ:3/2
4マナ:3/3
5マナ:4/4
ではあるが、環境にあるアグロがスペックを無視する「教導」を使うか、クリーチャーのサイズを無視して「再活」してくる、あるいは「召集」で4ターン目あたりから4/4連打なので、マナレシオはほとんど意味をなさない。飛行クリーチャーは条件付きも含めて、2−4マナ圏に2/2相当のものが、従来と比較して少なめに存在する。当然相対的に強い。
アグロ側で求められているのはタフネスが3である事。環境の基本軽量除去が《死の重み》《直流》なのでこれらに打ち勝てるサイズになる or する、というのがとても重要。
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