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Mr.Q/A$AP Ferg「French Tips」
誰かの訃報があった時にしかこのnoteを書いていない気がするのですが……。
11月3日にクインシー・ジョーンズが亡くなったとのこと。享年91歳。
91歳は大往生と言えるかもしれませが、彼の死は一つの時代が終わった感が否めません。まさに巨星墜つ。
心よりご冥福をお祈りいたします。
あまりに偉大な存在すぎて、何を書いていいのやらといった感じだし、書いたら書いたで全て陳腐になってしまう気がしますが、ここは開き直って、思うままにつらつら書き綴っていきたいと思います。
クインシーといえばマイケル(私にとってはね)。私が初めて聴いた洋楽もマイケルでした。小1くらいかな。もちろんその頃はクインシーの存在など知るよしもなかったけど。
けどマイケル作品以上に私の中で強烈に思い出に残ってるのが「We Are The World」。
小3の時の担任の先生が、授業を1時間潰して、この曲のMVを見せてくれて、英語の歌詞を教えてくれたのです。その時のことは今でも強烈に覚えてるし、だから私にとってあの曲は特別。洋楽で初めて歌詞をちゃんと理解した曲かもしれません。しかしあの先生はホントいい先生だったなー。
Netflix「ポップスが最高に輝いた夜」
「We Are The World」制作の舞台裏を描いた胸熱ドキュメンタリー。あれだけのスーパースター(超絶面倒な人達ばかり)を集め、仕切りまくったクインシーの手腕も光ります。
Netflix「クインシーのすべて」
クインシーのドキュメンタリーといえばこちらもマスト。実娘ラシダ・ジョーンズ(とアラン・ヒックス)が監督。ケンドリック・ラマー、ドクター・ドレ、ポール・マッカートニーら、豪華アーティストも多数登場。
マイケル以外のクインシーのプロデュース作品では、ルーファス&チャカのアルバム『Masterjam』(79年)が思い入れ強いかな。
Rufas & Chaka Khan / Do You Love What You Feel
中でもやっぱりこれ。これも教育テープ(こちらを参照)に入ってたんじゃないかなー。
あとはパティ・オースティン『Every Home Should Have One』(81年)とかね。
Patti Austin / Do You Love Me
アルバムにはスタイリスティックスのカヴァー「Stop, Look, Listen」とか、ジェイムス・イングラムとのデュエット「Baby, Come To Me」とか、ブラジルのシンガー・ソングライター、イヴァン・リンスが作曲し、アラン&マリリン・バーグマン夫妻が作詞した「The Island」(ボブ・ジェイムスがピアノで参加)とか名曲がたくさん収録されているのですが、やっぱりこれ。ベタですみません。しょうがないの、好きだから。
ソングライトはロッド・テンパートン、シンセサイザーにデヴィッド・フォスター、ギターにスティーヴ・ルカサー(TOTO)、バック・コーラスにジェイムス・イングラムと、バックも恐ろしいラインラップ。さすがクインシー御大。
Quincy Jones / Summer In The City
73年のアルバム『You’ve Got It Bad Girl』より。ファーサイド「Passin’ Me By」ネタ。
ヒップホップ・ファンにはこの曲が一番有名かな。
Quincy Jones / My Cherie Amour feat. Leon Were, Minnie Reparton and Paulette McWilliams
75年のアルバム『Mellow Madness』(タイトルからして最高)より。もちろんスティーヴィーのカヴァー。この面子で悪いわけなし。フルートでヒューバート・ロウズも参加。泣いちゃう。
リアルタイムだと、やっぱり『Q’s Jook Joint』(95年)が90年代ヒップホップ/R&B世代には忘れ難き一枚ですよね。
Quincy Jones / Slow Jams feat. SWV, Babyface, Portrait and Barry White
ロッド・テンパートンがソングライトを務め、これまたとんでもない面子をフィーチャーした90年代屈指の名バラード。最後の最後で登場するバリー・ホワイトの破壊力が凄まじいです。当時クインシーの寵愛を受けていたタミアがSWVの代わりに歌ってるヴァージョンもあり。
Quincy Jones / Rock With You feat. Brandy and Heavy D
『Q’s Jook Joint』からはこの曲も忘れがたし。オリジナルはもちろんマイケル。デビューしたてのブランディーの初々しい歌声がたまりません。ヘヴィーDのご機嫌なラップもナイス。プロデュースにはクインシーの息子のQD IIIも名を連ねております。
Quincy Jones / Tommorow(A Better You, Better Me) feat. Tevin Champbell
順番が前後しますが、89年のアルバム『Back On The Block』より。今回クインシーが亡くなってたくさんの人が追悼ポストをしていたけれど、多くの人(体感では8割)がこの曲を挙げていたことにちょっとびっくりして。若きマイケルを思い出さずにはいられないテヴィン・キャンベルの甘酸っぱい歌声がたまらないメロウ・ミディアムで、もちろん最高です。私も大好きです。けどこの曲以上に同じアルバム収録曲で好きな曲がこれ↓
Quincy Jones / The Secret Garden(Sweet Seduction Suite) feat. Barry White, Al B. Sure!, James Ingram and El Debarge
私はこの直球どエロソングを好きだと言うことになんら躊躇はありません。だってこれがソウルでしょ。夜が似合う曲こそR&Bでしょ。長年R&B/ソウルを聴いていると、こういうのがしっくりくる身体になってしまうわけです。ちなみにソングライトはロッド・テンパートン、コーラスにサイーダ・ギャレット。完璧。
キャリアが膨大すぎるので、曲を挙げようと思えば永遠に挙げられますが、この辺で。ジャズの視点から見たらまた違ったラインナップになるんでしょうね。
とにかく、たくさんの素晴らしい音楽をありがとうございました。
それのみです。
天国でマイケルとまた曲を作ってくださいね。
<今日の1曲>
A$AP Ferg / French Tips feat. Coco Jones
エイサップ・ファーグのニュー・アルバム『Darold』がメアリー・J・ブライジが2曲、エルミーンが2曲参加してたりしてなかなかの代物なんですが、ココ・ジョーンズをフィーチャーしたこの曲もR&Bファン的にはマスト。ブランディ「I Wanna Be Down」をリメイクした内容になっているのだから! 気怠い雰囲気が90sライクなミディアム・チューンとなっております。ラッパー曲にフックでシンガーが歌うもの90年代っぽいなーと思ったり。
ここにきてエルミーンの活躍は目を見張るものがあるような気が。私も大好き。EP『Anyway I Can』も最高でした。そしてついにTiny Desk Concertにも出演しましたよ! 私の大好きな「Light Work」も歌ってくれて嬉しい♪