自分で作る書類:生計の概要(その1)
生計の概要(その1)の目的
この書類の目的は、帰化要件の「生計要件」を満たしているかを確認するものです。帰化後も安定的に生計を営むことができるかどうかをこの書類で証明します。
今回もテンプレートを用意してありますのでこちらをご利用ください。
収入
生計を1つにしている家族の収入を記載します。給与、事業収入、年金などが該当します。
①作成生年月日
作成した年月日を和暦で記載します。帰化申請日の1か月前の月の情報を元に作成します。それを考えて、在勤及び給与証明書を会社から取得します。
なお、会社経営者や個人事業主の方は在勤及び給与証明書自分で作ります。こちらは別の記事で詳しく取り上げます。
②氏名
帰化申請する本人だけでなく、同居家族で収入のある人の氏名もフルネームで記載します。夫、妻、子供、同居親族のうち収入がある人は全員書いてください。
ここに記載した人の在勤及び給与証明書も必要となりますので、計画的に進めましょう。
③月収
月額の手取りの金額を記載します。給与証明書には、控除された税金や保険料などが記載されていますので、それらを引いた差し引き支給額が手取りの金額になります。
個人事業主の場合は、確定申告書から手取り額を計算してください。
社長や役員の方は役員報酬から手取り額を計算して記載します。
年金受給者は、2か月に1回支給されるため、支給額の半分を記載してください。
④種目
収入の種類、収入先を記載します。
サラリーマンやアルバイトの場合は、「給与(○○株式会社)」、個人事業主・会社経営者は「事業収入(△△株式会社)」、年金受給者は「年金」と記載します。
⑤備考
勤務開始日を記載します。在勤及び給与証明書の勤務開始日を記載します。
「令和2年5月から勤務」
個人事業主・会社経営者の場合は、個人事業開業届、会社の登記事項証明書に記載されている内容を書きます。
⑥収入の合計
生計を1つにしている家族の収入の合計を記載します。
支出
月々の支出額というのは意外と分からないものです。申請の3か月前から家計簿をつけることをお勧めしています。3か月あれば月々の変動も緩和されてきます。これはもちろん申請に必要な情報を得るためではありますが、無駄遣いがないかを知る良いきっかけにもなります。
⑦食費
1か月の食費を記載します。コンビニで買ったお弁当や外食代なども食費に該当します。
⑧住居費
賃貸の場合は、賃貸借契約書に記載してある家賃を記載します。共益費や管理費、駐車場代も含んだ額です。
住宅ローンのある方はここには記載せず、⑩返済金の欄に記載します。
社宅に住んでいて給与から天引きされている方は、金額欄は空欄にして、備考欄に「社宅家賃 30,000円給与から天引き」と記載してください。
⑨教育費
子供の塾代、子供のスイミングスクール月謝、英会話スクール代、幼稚園の通塾代などの合計を記載します。
⑩返済金
借金の毎月の返済額を記載します。住宅ローンは住居費ではなく、こちらに記載してください。
⑪生命保険等掛金
毎月支払っている医療保険や生命保険、学資保険などの合計を記載します。
⑫預貯金
毎月、預貯金に充てているの額の合計を記載します。次回説明する生計の概要(その2)の預貯金の額の合計のことではありません。
⑬その他
光熱費、通信費、遊興費などの合計を記載します。
⑭追加欄
上記以外の定期的な支出を記載します。
外国に住む両親への仕送り両親や、子供などへの仕送りなどを記載しします。その場合、誰に仕送りをしているのかを申請人との関係が分かるように記載してください。
⑮支出の合計
支出の合計額を記載します。この合計額は、⑥収入の合計と一致させます。
調整可能な支出でぴったりと合うようにしましょう。食費やその他の支出などで調整するとよいです。
主な負債
⑯借入の目的
住宅ローン、自動車購入、教育ローンなどと記載します。
⑰借入先
借入先の金融機関の情報を支店名まで記載します。
ローンの契約書、借入契約書などから転記してください。
⑱残額
ローン残高を記載します。ネットバンキングをしている人は、ネットですぐに確認できますね。
⑲完済予定
ローンの契約書、借入契約書に記載されている借金を払い終える日を和暦で記載します。繰り上げ返済している方は、最新の完済日を確認して記載しましょう。
まとめ
収入が多くても支出が多いと、生活の破綻のリスクがあると見なされることもあります。逆に、収入が少なくても、支出も少なければ生活は維持できると判断されます。
申請者本人に収入がなくても、同居の家族の収入で生計が維持できる、もしくは別居の家族からの仕送りで生活可能と判断できれば帰化申請は認められます。
この書類は、申請日の1か月前の情報を記載するため、他の書類の収集状況を確認しながらタイミングを計って作成しましょう。まずは家計簿をつけて支出の様子を把握しておいてください。
今回もチェックリストで確認しましょう。