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タイ シャドー釣行記③

 釣り2日目。この日も前日と同じように朝7時から正午までシャドーを狙った。この日は早めに稚魚ボールを見つけたので、ひたすらにルアーを投げ続けたがなかなかヒットには至らない。腕も疲れ休憩がてらガイドのおじさんの釣り具を拝見したら結構しっかりしたルアーをいくつも持ってて驚いた。その中にはフロッグとノイジーとスイッシャーを組み合わせたような形をしているルアーもあった。あっ、これはペラルアーだ!一目見ただけで分かった。タイに来る前、シャドーについて調べていたらこのような形のルアーを何度も目にしていたのだ。そして釣りを通して仲良くなった僕らはお互いのタックルを交換して釣りをした。彼のタックルはとても軽くて投げやすく稚魚ボール釣法に向いていると思うと同時に、怪魚にこだわり過ぎた僕はハードロッドを使用していることに少し後悔した。

 あたりも少なくこの日も坊主で岸に戻った。でも今日の釣りを振り返るとガイドの方があたりが多いことに気になった。それには釣りの技術もあるだろうが彼の使用しているペラルアーにもヒントがあるのではないかと思った。そのため自分もこのルアーを使いたい!そう思い町の人に「近くに釣具店はあるか?」と尋ねてみると、バイクで連れて行ってくれた。

 小さな店内には数は少ないものの十分すぎる釣り具が売っていた。日本製の釣り針なども置いてあり少し懐かしさも感じつつ、ペラルアーとエサ釣りに使用するエサ、錘、浮きなどを購入しホテルに戻った。午後はエサ釣りをしようと思ったが強烈な睡魔が襲ってきてホテルで休むことにした。


 
 その後夕飯をナイトマーケットで済ませドリンクやお菓子を買ってホテルに戻ると、隣の部屋のベランダに巨大な欧米人が座っていた。話しかけてみると彼は身長214cmのオランダ人で、4日ほどこの街に滞在しているという。彼は日本を含めた世界各国を旅したことがあるらしく、中でもこのサンクラブリーは自然が豊かで人も優しく最高だと語っていた。そんな彼と談笑しながら素敵な夜を過ごすことができた。魚は釣れないけど最高の日々を送れている。

 3日目は朝から雨が降っていたが湖までオランダ人がバイクで送ってくれた。雨の日は釣れるというがこの日も数回あたりがあるだけでヒットまでいかない。数えきれないくらいペラルアーを投げ続けた。しかしシャドーは釣れなない。僕にはシャドーは釣れないのかもしれない。もうそんなマイナス思考を頭に抱き始めていた。町の人たちも、せっかく日本から来たのに釣れないなんて申し訳ないみたいなことを言ってきたので、僕はそんなことを言わせてしまって申し訳ないとこちらが謝りたくなった。
 坊主で帰るのだけはいやだと思い、午後はエサ釣りをしに桟橋に向かうと初日にお世話になったオワンがいるではないか。久々の友人に再開した気分で嬉しかった!オワンと一緒に釣りを開始し、昨日買ったエサをつけて桟橋に沈める。アブガルシアのWorld Monsterシリーズの一番柔らかい竿を使用していたのであたりは分かりずらかったが、竿先の動きに合わせてみると小さなフナのような魚が釣れたではないか!やったーー!!海外で魚を釣ったぞ!こんな小さな魚で大喜びしたのは初めてだった。オワン曰くパーターピエンという名前の魚らしい。とりあえず何かを釣るという最低限の目標はクリアしたので、この日は満足してホテルに戻った。


  
 この日から2日間は水上家屋に泊まることになっていた。ベランダからは湖が一望でき、当然釣りもできる。エサ釣りをしながらコンビニで買ってきたおつまみを頂くひと時は幸せこの上ない。ただこの水上家屋は水深が深く魚は釣れなかったが、明日が釣りができる最終日ということもあってシャドーのことを真剣に考えていたらあっという間に深夜になってしまった。

続く

 

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