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NCT2020 REASONANCE〚NCT世界観考察〛

 今回はNCT2020の世界観についての考察をご紹介していきます。

アルバムのコンセプトや概念など、NCT2020の大枠を取り上げていきたいと思いますので、収録曲MVについての考察が見たいという方はぜひこちらの動画をご覧ください。

NCTの基本概念から知りたいという方はこちらの動画もオススメです。

それではさっそく、見ていきましょう。


NCT2020までのあらすじ

Dream Labの実験の被検体として集められたNCTは、夢を超えた先にある"すべてが叶う理想的な現実(現実回帰)"を目指すため、ラボ監視下のもと眠ることを強制されていた。夢の世界での様々な体験を経て"共感"が芽生えた彼らは、ラボからの解放と自由を求めて試行錯誤を繰り返す。
やがて彼らは"共鳴"の兆しが見え始め…

「RESONANCE」とは

 NCT2020のアルバム名である「RESONANCE」は、日本語で共鳴という意味。ここでひとつ確認したいのはNCT2018「EMPATHY」からNCT2020「RESONANCE」への変化、つまり共感から共鳴への言語的な移行の意図についてです。

마침내 날 닮은 너를 봐
난 너고 넌 나야
ついに僕に似た君に出会った
僕は君であり君は僕なんだ

参照) NCT127 Limitless

NCTの世界観には「君は僕だ」という哲学が存在します。これは自己と他者を分け隔てのないものであると認識すること、善と悪など相反する二つの自我を否定せずに認識すること、など様々な意味を内包する哲学です。

一人一人に存在する自己(パーソナリティ)がある種の波動であるとするならば、「共感」とは他者の波動に自分の波動を重ね合わせていく作業、つまり「君は僕だ」という哲学的価値観が芽生えた状態だと言い換えられるでしょう。すると「君は僕だ」を前提としたうえで成立する「共鳴」は、波動から波動へと重なり合いが伝わりNCTというひとつの大きな自己が完成した状態だと言えます。

 NCT2020で最初に公開された映像「INTERLUDE」は波動を想起させる「Simon Says」(動画サムネイル)のカットから始まり、これまでのMVが繋がり合っています。また「INTERLUDE(=幕間)」というタイトルからも、「RESONANCE」はあくまでも中間地点であり彼らの世界観は今後も展開されていくのだという確信が見えるでしょう。

団体曲「RESONANCE」ではメドレー式に楽曲が繋がり合い、最後に全員でNCTとして共鳴している様子が分かります。また彼らの共鳴が見られるのは今回のアルバム限りではなく、NCT2021「Beautiful」での笛の(ひとりが吹くとそれに呼応するように別のメンバーも吹く)描写も共鳴の過程を具体的に表していると考えられます。

メタファーと概念

 次に、NCT2020で注目しておきたいメタファーや概念をご紹介します。

ブルー・オレンジ

 "夢と現実、および過去と未来"のメタファー。アルバム「REASONANCE Pt.1」には「The Past ver.」「The Future ver.」の2パターンがあり、それぞれブルーとオレンジのコンセプトで形成されています。

これらのメタファーは映画『マトリックス』に登場する青と赤の錠剤に由来すると考えられます。『マトリックス』では「満ち足りて何も知らない状態であり続けたい」場合は青い薬を、「人生が根底から覆るとしても真実を知りたい」場合は赤い薬を飲んでおり、それぞれを夢・現実というワードに置き換えることが可能です。

なぜNCTの世界観ではブルーとオレンジなのかという点に関しては、重要なメタファーである海と砂(時計)の色に起因しているという仮説を立てていますが、明確な証拠は未だありません。

ブルーとオレンジのメタファーは他にも、WayV「Turn Back Time」のMV、「Kick Back」のティザー、今年発売されたNCT127の写真集「BLUE TO ORANGE」などでも見られます。

〇(円・球・縁・ONE・원)

 NCTには潜在的に〇(円・球・縁・ONE・원)の概念が存在します。

커지는 이 공감 속에 원을 그려 하나가 돼
大きくなる空間の中に 円を描いてひとつになる

参照) NCTDREAM Dreaming

これは「君は僕だ」の哲学よりも不明瞭であり、世界観考察を行う上で非常に言語化しにくい概念です。なぜならこの概念には企業によるプロパガンダ的な心理も少なからず混在しており、フィクションとノンフィクションどちらにも関わりを持つと考えられるためです。

NCT2020のロゴや「Yearparty」でメンバー達が集う円卓などはまさしく〇の概念を表していると言えるでしょう。

またこれまでMVに登場してきた月、目、リングなどの印象的なモチーフからも、私達はサブリミナル効果的に〇の概念を享受しているとも言えます。

エーテル

エーテル それは次元と次元を
繋ぐことが出来る無限の媒体
人から人、感情から感情へと
私達はエーテルを広げる

参照) NCT2020 : The Past & Future ‐ Ether

「エーテル」とは一般的に物理学で用いられる用語で、光を伝える媒質のことを指します。語源は古代ギリシア語の「アイテール(神が支配する領域の意)」です。NCT2020より登場した概念「エーテル」はこれらの意味合いを含有したものであると考えられます。

NCT2020のその先

 MAMAでのNCT2020ステージにも実は「エーテル」が登場しています。メンバーとメンバーを繋ぐ光の筋のようなものが、おそらく共鳴から生まれ視覚化された「エーテル」でしょう。

エーテルを通じて過去・現在・未来に会う
僕達はエーテルを無限の宇宙へと広げる
夢の波動と現実の波動が出会い 
夢から醒めることは夢が現実となることである

参照) NCT at 2020 MAMA All Moments

NCT2020で放射線状に繋がった「エーテル」を今度はNCTの外へ、つまり果てのない無限の領域である宇宙まで広げようと彼らは団結します。そう、ここで新たに生まれる概念がNCT2021のテーマでもある「UNIVERSE」です。

NCT2021に関しての詳しい考察Note、「UNIVERSE」収録曲MVについての考察動画はすでにアップしていますので、気になった方はぜひこちらをご覧ください。

各種SNSでも様々な考察を投稿していますので気になった方は先にそちらをぜひご覧ください。

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