Designship 2024にデザインチームで参加して得た学び
こんにちは。キーウォーカー デザインチームのanemoです!
10月12日〜13日に東京ミッドタウンで開催されたDesignship 2024に、デザインチームではじめて参加しました。このイベントを通してたくさんの学びを得たので、会場の雰囲気も交えながら参加レポートを書いてみたいと思います!
書きたいことはたくさんありますが、ここではデザインチームのメンバーが特に印象に残ったセッションやスポンサーの皆さんのブースを回った感想などをそれそれ書いてみます!
メンバーが特に印象に残ったセッション
インハウスデザイナーは何をデザインしているのか、するべきか
今年初めて参加した君島です。面白いなと思ったセッションは、3名のインハウスデザイナーによるパネルディスカッション形式のセッションでした。
役割と面白さ、現場課題と解決策、そして今後取り組むべきことという3つのテーマに基づいて、それぞれのインハウスデザイナーとしての想いや考えを伺うことができました。
組織の在り方は三者三様でしたが、いずれのデザイナーも共通して事業に深く関わり、期待値の確認を綿密に行っているという点が印象的でした。
インハウスデザイナーとデータサイエンティストは、どちらも事業に向き合い、課題解決に取り組むという点で似ています。
特に共感したのは、組織内でタスクが発生した際に、「やらない」という選択肢が存在するため、そのプレッシャーのかけ方が課題となるというお話です。また、責任感を持って取り組む意識の重要性について触れられた点も強く印象に残っています。
今回のセッションを通して、会社への貢献や責任感を持った選択について、自分自身を見つめ直す良いきっかけになりました。
これからは、どのように組織と関わり、適切に自分にプレッシャーをかけながら成長できるかも考えていきたいと思います。
感情を喚起するブランディングデザイン
去年も参加した麻生です。このセッションでは、感情のグラデーションをどのように捉え、活かすかが重要なテーマでした。
サービスデザインをする上で、affect、つまり微かな感情が大切であり、大きな喜びよりも、少しずつ積み重なる小さな達成感が重要だという考えが印象に残りました。
また、ブランドやプロダクトに対して、いきなり「大好き」と感じさせるのは難しく、少しずつ「好き」を積み重ねることが、大きな好感につながるという考えは、実際のユーザージャーニーマップを考える際に非常に効果的な考え方だと感じました。
最後に、ブランディングにおける感情の言語化・可視化の重要性が強調されていました。
ユーザーにとっての機能的価値と情緒的価値を明確に捉え、それをチーム内で共有できていると、言語化できていると同じ方向を向きやすい。そのためには「伝えたい相手が誰なのか」を明確に理解した上で、ユーザーの感情を明確に言語化するプロセスを行なっていく必要がある。
聞いてみると当たり前のようですが、正解・不正解がない微妙なユーザーの感情の機微を言語化し、共通認識として可視化するというプロセスを実践していくのはかなり難しいのではないかと思います。
anemoとしても、0-100という分かりやすい指標に捉われず、ユーザーとの率直な対話の中で真に価値ある体験をデザインしていきたいという想いを新たにしました。
人間中心から、生命中心の未来へ〜大阪・関西万博デザインシステムを通じて〜
去年に引き続いて2回目参加の小林です。2025年に開催される大阪・関西万博のデザインシステムを担当している引地耕太さんのお話がめちゃくちゃ面白かったです。時々、X (Twitter)で見かけていた方の考えを聞くことができて、とても有意義でした。
大阪・関西万博のデザインシステムで目指したものは「私たちが目指す未来社会のヴィジョンをデザインする」だそうです。未来社会の構築に向けて、「自立と共生」「融和と共鳴」「循環と共進化」という3つの概念で考えられるのではないか。その概念には「和の美意識」が隠れているという視点が興味深かったです。
特に「融和と共鳴」という概念が印象に残っています。日本人がこれまで日本文化と外部の異文化を取り入れて新しい文化を作ってきたということを聞いて、確かにそうだなと思いました。
個人的には僕が好きな嵐・櫻井翔くんのHip Pop Boogieという曲の「Jazz band, Hip Hop 取り込んで行く 是こそご存じのHipなPop」という一節を思い出しました。J-Popもいろんなジャンルの曲を取り入れて広がっている文化かなと思います。
セッションの最後には「人間が未来社会においてデザインすべきものは?」という問いがなされていました。Nature・System・Humanを融合したDesign for Livesこそが未来に向けたデザインであるというのが答えの1つなのではないかと僕は受け取りました。
引地さんのお話は未来に向けたデザインについて考えるきっかけになりました。大阪・関西万博も楽しみにしてます!
実は今、パッケージデザインが面白い
今年初めて参加した仲野です。新しい気づきと衝撃を受けた個人的に印象的だったセッションでした。
まず、広く社会に流通し消費される物のデザインができるのは花形的なポジションだと個人的に思っていたため、「パッケージデザインを取り巻く古い、狭い、という先入観」があると冒頭で聞いた際には驚きを感じました。
パッケージデザインのあり方が「価値の時代」から「体験の時代」、そして「意義の時代」へと変遷していることが説明され、これが非常に分かりやすく、自分の中でも納得感がありました。私はこれまでデザインの認識が「体験の時代」(ユーザー視点でブランドに固有の体験を作るデザイン)にとどまっていましたが、今は「意義の時代」に入り、可変性を前提としたブランド作りが主流となっていること、そして身近なところでもその実例が見られることを知る良い機会となりました。
また、デザインに限らず、自分が関わる分野の歴史とトレンドを知ることの重要性も感じました。特に、これまで「ブランドのイメージに合わせてパッケージや店舗の外観がデザインされている」(=「全体が部分を作る」)と認識していましたが、マツモトキヨシのオリジナルブランド製品のデザインが従来の店舗イメージと異なる新商品が登場し、そのイメージに合わせて店舗のデザインが変更される様子を見ることで、「部分の集合が全体を作る」デザインが存在することを知りました。
実際、私はマツモトキヨシの店舗もオリジナルブランドもよく利用しており、デザインがリニューアルされた店舗の実物も見ていたはずですが、これまでまったく気が付いていませんでした。何気なく使っていた商品や店舗のデザインに、これほどの意図と背景があることに驚き、日々の生活の中で身近なデザインにも意識を向けていく必要性を強く感じました。
(マツモトキヨシのブランドについて)
ブースめぐり
スポンサーの皆さんのブースもとても面白い企画がいっぱいありました!巡ったブースの全てを紹介したいところですが、特に面白かったブースを紹介します。
株式会社スタメンさん
スタメンさんは去年はラーメンを配ってた記憶がありますが、今年はスターティングメンバーと掛けて、野球のユニフォームを着てブースにいらっしゃいました (ちなみに、スタメンはStar Membersの略です)。
今年はチームの相互理解を深めようということで、ちょっと懐かしいプロフィール帳を配られていました (小学生ぐらいのときに書いた記憶があります笑)。
株式会社キュービックさん
キュービックさんは、キュービックエストというデザイナーの特性をRPGのような属性で分類するというブースをやられていました!新卒のメンバーですべて作成したとおっしゃっていてすごいなと思いました。ちなみに、デザインチームの4人は勇者1人、魔法使い2人、武闘家1人でした。
おわりに
今回、Designship 2024はデザインチームとして初の参加でしたが、全体を通してとても刺激的な2日間になりました!
組織のデザイン、プロダクトデザイン、ブランドデザインなど、様々な側面でデザインを実践されている方のお話を聞き、上記以外でも書ききれないほどの学びがありました(もっというと、入ってくる情報量と密度がすごすぎて一日が終わる頃にはへとへとになってました)。
また、企業のブースでの企画やノベルティもとても力が入っており、各企業の特色やこだわりが伝わってきました。
Designshipというイベントを通して、まさに"場のデザイン"がされており、色々なコミュニケーションが生まれていました。
今回学んだことを今後の活動に活かしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!