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Visual Hierarchy / 視覚的階層 | Design Week Summer 2024 #4

こんにちは、anemoの君島です!
#4では、デザインや情報伝達において重要な概念である「Visual Hierarchy / 視覚的階層」についてご紹介いたします。

前回の #3 の記事はこちらです。

こちらのLightning Noteを通して、Visual Hierarchyの重要性と作成する際に意識すべきポイントについて学んでいただければ幸いです。


Visual Hierarchy とは

Visual Hierarchy / 視覚的階層」とは、デザインにおける視覚的な情報の重み付けを指します。視覚的要素の配置や強調の方法を行い、ユーザーが情報を自然にかつ効率的に読み取れるようにするための技術です。

デザインにおける重要な要素を優先的に目立たせることで、視覚的な流れを作り出し、ユーザーが情報を理解しやすくすることを目的としています。

Visual Hierarchyがある場合(左)とない場合(右)

Create Visual Hierarchy

Visual Hierarchyを作る際には、以下のポイントを意識してください。

  • デザインの基礎を押さえる

  • 配置のパターンを意識する

  • サイズと色の特性を意識する

  • タイポグラフィに気を配る

  • 余白を十分に取る

Principles - デザインの基礎

まずは、デザインの基礎である「整列」「反復」「近接」「対比」から始めてください。

デザインの基礎を押さえた、デザイン思考の説明図

Reading patterns - 配置

視線誘導には3つのパターンがあります。

左から、「F型」「Z型」「N型」

記事やブログなど、テキスト中心のページは「F型」で視線が動きます。見出しやトピックセンテンスなどから興味深いワードを探し、興味深いものを見つけたら立ち止まって左から右に読んでいくという流れが適用されます。

広告やWebサイト、ダッシュボードなど情報が必ずしもブロック段落で提示されないページは「Z型」で視線が動きます。まず、重要な情報が見つかる可能性が高いページの上部を見て、次に対角線で反対側の角まで視線を落とし、ページの下部でも左から右へ流していくという形になります。

新聞や雑誌、ポスターなど日本語の縦書きの文章は「N型」で視線が動きます。このレイアウトを適用できる言語は限られています。また、Web上ではあまり使われません。

Size and Color - サイズと色

サイズが大きい要素・色がある要素に注目が集まる

サイズ」の大きな要素は自然と小さな要素よりも注目を集めやすく、これによって視聴者の目を最も重要な部分にまず引きつけることができます。先ほどの配置のルールを無視できるほど強いです。

」も、Visual Hierarchyを作るための強力なツールです。明るい色や鮮やかな色は目立ちやすく、重要な部分や強調したいポイントに使用されます。一方、落ち着いた色や中間色は、背景や補助的な要素に適しています。

Typography - タイポグラフィ

タイポグラフィ」も、Visual Hierarchyを作るための重要な要素です。
フォントのサイズ、種類、間隔などを工夫することで、情報の優先順位を視覚的に示し、視聴者にとって読みやすく、理解しやすいレイアウトを作り出すことができます。

太字と間隔を付けると読みやすくなり、異なるフォントを使うと興味を引く

見出しやタイトルを大きいサイズに、本文を小さなサイズに設定することで、重要度を明確に伝えることができます。「太字」は強調や重要なポイントに使われ、細字は補足的な情報に適しています。

さらに、「異なるフォント」の組み合わせやペアリングも視覚的な興味を引き、階層を形成するのに役立ちます。例えば、セリフ体とサンセリフ体を組み合わせることで、視覚的なコントラストを生み出し、重要な部分を引き立てることができます。

適切な「間隔」を設定することで、テキストが読みやすくなり、視覚的なストレスを軽減します。これにより、視聴者は情報をスムーズに読み進めることができます。

Space - 余白

コンテンツに十分な「余白」を与えることでも、Visual Hierarchyを作り出すことができます。
より大きい余白を持つ要素は、より小さい余白を持つ要素よりも重要度が高く見られる傾向があります。また、十分な余白やパディングを設けることで、各要素が際立ち、情報が過密にならずに整理されます。

まとめ

Visual Hierarchyは、ウェブデザインやグラフィックデザイン、広告など、あらゆる視覚コミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。
効果的に構築することで、情報が分かりやすく、読み手にとって魅力的になります。

テキストコミュニケーションを行う際、スライドやダッシュボードを作る際などに参考にしていただけると嬉しいです。