私と料理

早速だが、エッセイの代名詞「自分の恥を晒して笑いをとる」を実践しようと思う。

私は、料理ができない。
引くほど、できない。
小さい頃から、祖母の圧倒的手腕に甘んじて台所に立つことなく育ってきたのが理由だろうと思っていたが、最近気づいてきた。
私が尽く料理を失敗するのは、持ち前の不器用さ×センスのなさ×経験値不足という怒涛の三要素が掛け合わさっているからだ。光の三原色の真ん中で輝く白い部分に私はいるわけだ。脳裏を過ぎるベン図。

ちょっと具体的な話をすると、お菓子作りはまだ大丈夫なのだ。お菓子のレシピは計量と工程が命なので、細心の注意を払って具材と格闘すれば形にはなる。(ex:バレンタイン)
問題は日々の食卓に並ぶご飯だ。レシピのざっくりした指示と私の相性の悪いこと悪いこと。なんでか分からないが、中火で5分を忠実に守っているのに裏が焦げている。
そんなのはざらで、最近は冷凍食品を表示通りに調理したにも関わらず失敗する事態まで発生した。(これがこの文章に着手したきっかけである。自分でも引いた。)
では、小学校の調理実習から始まる、自分の料理できない遍歴を箇条書きで見ていこう。多分居ないとは思いますが、今野=人並みに料理ができる というイメージを持っていた人は早々に捨てて頂くことをおすすめします。


・小中学校の調理実習
自分に何ができるのかが分からず野菜を切ったところで立ち尽くす。周りをそれっぽく気にかけつつ洗い物に専念する。

・高校の調理実習
ピーラーで爪を切る。(この案件は料理ができないという具体例に最多選出される。ごめんあの時皮を剥がれていたじゃがいも。)自分でもドン引きしながら洗い物担当に回る。

・米を研ぐ
調理実習時代、横で見ていた友達が耐えられず手を貸してくれるくらいの覚束なさ。さすがに洗剤で洗いはしないが、洗う工程において数粒の米を排水口にダイブさせてしまう。無洗米が最高。

・付け合せのにんじん
説明通りに輪切りにして焼いていたのに裏面が全部真っ黒になる。恐怖映像である。

・肉じゃが
肉が「お前はビーフジャーキーか…?」というレベルで焦げて固くなる。

・りんごの皮剥き
皮を包丁で剥くという発想と技能がないので、半分に切る→半分に切る→真ん中の種がある部分を包丁の端で死ぬほど雑にくり抜く→終 製作・著作 NHK
という感じ。別冊図書館戦争の郁ちゃんも真っ青である。(読んだ人にしか分からないネタ)

・夏合宿のカレー作り
班の皆と自分の料理スキルの寒暖差で風邪を引きそうになりながらフルーツポンチと向き合う。カレーとうどん作成を任せてしまった班の同期、先輩方、その節は誠に申し訳ありませんでした。もし来年以降も夏合宿に行くのであれば、それまでにある程度料理をできるようになっておかないと死ぬと痛感した。

・冷凍枝豆
袋の上から水を流して「なかなか溶けないなあ」と首を捻っていた。同期にめちゃめちゃ驚かれた。ごめんなさい。お腹空いたよねあの時。

・冷凍餃子
油をひいてフライパンで焦げ目をつけたら蒸し焼き、という表示の「焦げ目をつけたら」の塩梅が分からずガチで焦がす。その過程で皮がフライパンにくっつき中身と分離。「これで元々一個だったんかな…?」という物体同士を口の中で合流させて食べた。虚しかった。


ざっと思い出せただけでもこの失敗ぶりである。たぶんもっと怖い失敗も沢山している。
これから一人暮らしを始める人達が、「流石にこれよりはできるわ」と思ってくれたら、過去の私と失敗した料理は報われるはずだ。
そして、私はもしかしたら訪れるかもしれない一人暮らしに向けて、料理の腕を上げていくことが切実に求められている。

最後にはなりますが、焦げないフライパンの使い方を教えてください。
一回の料理のうちで、ほぼ確実に料理かフライパンを焦がす今野より。

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