推しエッセイストの話
いきなりだが、私が尊敬してやまない個人的日本三大エッセイストを発表させていただく。
(実はこれを上げる前に何本か没にした話があるのだが、それらも3つの具体例を上げるという話の展開をしているものが多すぎてびっくりした。3の安心感凄い。)
清少納言、さくらももこ、朝井リョウである。
最初に謝罪するのだが、私は本の読み方がめちゃめちゃに偏っていて、好きな作家の本を永遠に読むタイプなので、恐らく読書家の方からしたらかなり知見が狭い方だと思う。
もしおすすめなどありましたら熱意を持って伝えてください。積ん読を解消しながら気が向いたら読ませて頂きます。腰が高いのか低いのか分からない。ちなみに私はいつもハイウエストを履いて短足を誤魔化しています。座高で人に負けたことはありません。
始めます。
まず清少納言、彼女は私がone of the most 尊敬する歴史上の偉人である。
急にルー大柴になったのは、日本語で「一番」って言うとひとりに限定される感じが出てくるから。
母語は日本語でよかったけどこの表現においては英語の勝利だと個人的に思っている。たくさんのmostのうちのひとりです。
性格も文章も凄く好き。とか言いつつ枕草子以外はちゃんと読んだことがないのですが…
ちなみに、枕草子フルバージョンめっちゃおもろいので春はあけぼの以外知らない、という方は騙されたと思って一回読んでみてほしい。
機転、発想力、具体例の羅列により湧き出るリアリティ。全部好きです。
「見苦しいもの。昼間からイチャつくブサイクカップル。」という言葉を千年前に残してるの、凄すぎない?
さくらももこさんは言わずもがな。もう皆読んだことあるレベルだと思っている。
小学校で、図書館の木の本棚から「もものかんづめ」とか「さるのこしかけ」とか引っ張り出してたのが最初の記憶。
読書中に集中力が切れてしまって、ちょっと休憩、と本を閉じることってままあると思うんだけれど、彼女のエッセイはそれが全くない。
エピソードの馬鹿馬鹿しさや巧妙な語り口に吹き出しながら読んでいたら一冊が終わる、という感じ。肩の力を抜きたい時にぜひ読んでほしい。
私が一番好きなエピソードは、(これはエッセイじゃなくてデビュー当初のエッセイ漫画に収録されてたやつなんだけれど)漫画家になりたかったさくらさんが、高校のエッセイの課題で先生にべた褒めされて、「エッセイを漫画にしてみたらどうだろう」って思いついてデビューに至る、という話。
やってみる、触れてみる、って本当に大事なんだな、と小学生ながらに思った記憶がある。
そして、朝井リョウさん。好きな作家は?と言われたら迷わず一番最初に名前を上げる、人呼んで天才である。
なんでこんなにピンポイントで人の心の内を表現できるの…?という小説を書く方だが、私はこの人の真髄はエッセイにあると思っている。
一言で表すと、「劇団四季による結婚式の余興」。
物凄い文才と観察眼と構成力を持っている人が本気でふざけるとどうなるかを思い知らされた。
今のところ出版されているエッセイは2冊だけだが、どちらも絶対に電車内で読んではいけない。心置き無く笑える場所でページをめくることをおすすめする。
この人の凄さは、自虐がナチュラルなところだと思っている。
直木賞作家という輝かしい看板を手に入れた人の自虐なら通常「いやいや〜そんなことないですよ〜」となるはずなのだが、何故か朝井氏の自虐は「ははっ、草」で終わらせられる軽さがある。しかもちゃんと面白い。
一人称の謙譲語が「馬顔猫背」ってなんだよ…語呂の良さが異常。
この3人を並べたのには理由がある。
もちろん暇を持て余している方々に向けておすすめの本を紹介するというのもあったのだが、「今後自分の文章において、他人の話をする時にどこまで暴露するか」の方向性を定めるためである。
個人名を出さないのは当たり前だが、どのくらい書いていいのか、許可を取ればいいのかが定められているわけでは無いので、私の裁量とモラルに委ねられているわけだ。
そこで、この尊敬する3人のエッセイストの具体例を抽出し、自分なりの結論を出すことにする。
清少納言が出していた個人名といえば中宮定子だ。
しかし、これはおそらく当時において私がシシド・カフカさんの話をするようなものだから、参考にならない。
さくらももこ氏は、度々知り合いの話を出していた。確か、「Nさん」のように伏字で登場させていた記憶がある。
これは最も一般的かつ有効な手段だと思うが、あまり多用すると星新一になりかねないので見計らって使っていこうと思う。
朝井氏はかなりのチャレンジャーである。彼のエッセイを読んだことのある人にとってはおなじみ「眼科医」も、あのエピソード自体が無許可だし(最後の行にオチとして記載されていた)。
あとこれはあまり関係ない話だが、エッセイ第2弾「風と共にゆとりぬ」に登場する税理士が今野さん(仮名)でめちゃめちゃびびった。一回本閉じた。今野って名前、意外と創作物に出てくる説。
ということで、結論として、
「このnoteに誰かのエピソードを載っける時は基本許可を取る。個人名は出さない。」
というスタンスでやっていこうと思う。
気が変わった時のための逃げ道を用意するのが私である。基本という言葉の有用性。
※人が不利益になるような話、尊厳に関わる話は絶対にしませんのでその点はご安心ください。
こんな感じで無事に締めようかと思ったのだが、ここに来て「もし友達が冷凍枝豆を袋のまま解凍しようとしてたら流石にネタにしたいけどそれって尊厳に関わる…のか…?」という疑問が湧いてきた。
そのようなボーダーラインは確実に確認を取っていきます。安心と信頼のnoteを目指していきます。ので、どうぞよろしくお願い致します。