ジョブクラフティングを考える
ジョブクラフティングという言葉を耳にする機会が増えた。与えられた作業を機械的にこなすのではなく、従業員が仕事を主体的に捉えなあおすことでやりがいにつなげること。「やらされ感」を「自らやっている」というように。自分の若い頃はがむしゃらに働き、いわれるままに残業もした。同期の中ではやく出世して一番になるということに命を懸けていたかな。それだけでも、自らがんばっていた。あこがれの店長コート、レジの後ろに顔写真が飾られ、名刺が作ってもらえる。月に1度の店長会議にも出席できる。そんなあこがれがあった。がむしゃらにがんばっていた。店長になることが大事なことで、次はエリアマネジャーが目標だ。右肩上がりの時代だからこそ、店舗も増えたし、売上も上がったし、それにともなってポストも必要だった時代。でも犠牲にするものも多かった。私は早くに結婚して子供が出来ていたので、家族は二の次だった。ずいぶん、寂しい思いもさせたな。お盆や正月やゴールデンウィク、土曜日日曜日も忙しく、休むのは罪悪感があった時代。会社が大きくやめさせられないように従っていた。
そして今、ジョブクラフティングの時代。ピーター・ドラッカーの3人の石工の話が引き合いに出される。旅行中にある旅人が3人の石工に「何をしているのですか?」と話しかける。一人目の石工は、「みてのとおり、親方の指示でレンガを積んでいる。」2人目の石工は、「レンガで壁を作っている」、3人目の石工は「大聖堂をつくって、地域の人の心のよりどころにするのさ」と答えたという話である。一人目の石工はJOB(労働・作業)として捉えている。2人目の石工は、CAREER(仕事・経歴)として捉えている。3人目の石工は内的なやりがいをもって、主体的に取り組んでいることがわかる。まさにCALLING(使命)である。仕事のやり方を見直し、仕事の意義・意味・価値を見直すことが必要なのである。そう意味でも個人が会社に依存するのではなく、自分が自分のボスとなって会社にしがみつくのではなくいろんな人とのかかわりをとらえ、つながりを大切にしながら自立型キャリア形成が大切な時代に突入している。働く方も会社に依存するのではなく、自分のワクワクすることを考え、ワクワクの実現に向かって挑戦しなければならない。そのためには、問題意識と、その問題を解決するための情熱と使命感、そしてイノベーションの創発のサイクルを回さなければ。だって、自分の人生だもの。
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