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『MARIA』One Minute Literature 第八号
こんばんは。ウサギノヴィッチです。
今回もあなたの貴重な一分をいただきます。
今回も掌編の小説を書いてみました。
よかったら読んでみてください。
それではどうぞ。
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貴女とは、すれ違っている。いつもそうだ。ぼくが右向け右なんてもうたくさんで、キレイなレールを踏み外している。無様な飼い犬になり下がりそうだ。貴女はそれを微笑んで見ている。
ぼくは、貴女に会ったことがない。
ただ、いるということは知っている。
信じている。頭の中ではわかりきっている。
遠い昔、おとぎ話で聞いてた貴女が事実存在するのなら。
自分の名前も言えないくらいの頭痛がする。貴女はいたずらに微笑む。ぼくが苦しむと貴女は嬉しそうな顔をする。まるでサディストのような。
ぼくはあなたに触れることさえできない。貴女のことが好きなのに、貴女は存在すら危うい。一度も話こともない。一度も見たことがない。でも、どこか感じることができることができる貴女。
貴女はどこにいるの。
貴女は器用にではないが、器用だと思って立ちふるまう。その不格好さがたまらなくいとおしく感じる。それはぼくの妄想かもしれない。
いたずらな答えに微笑む。
明日の大人たちは記憶喪失だ。みんな魂が抜けたように電車に乗って、毎日同じ場所に向かっている。ぼくはその人たちを見ながら煙草をすうことしかできない。貴女に教えてほしい、終わりも知らない綱渡りの知らないぼくに。
貴女に少しだけでも近づきたい。
下心いうのであれば、貴女の胸に触りたい。貴女のその豊満な胸に。
空想だけれども、きっとそうだろう。
死ぬ前に一度だけ貴女に会いたい。
ぼくみたいな人間がのうのうと生きている世の中なんて狂っている。ぼくが死ぬときに貴女は今まで見たことない一番の絵顔をするだろう。
最後のタバコを吸って喫煙所を出る。そのときに、か弱そうなサラリーマンにぶつかる。彼はぼくのことを見て、若干ひるんでいた。ぼくはある意味殺気だっていたのかもしれない。
池袋東口方面に向かって歩いて行く。JR山の手線をSuicaで入る。
階段を昇りながら、もしかしたら会えるはずもないシスターを目当てに昇る。
貴女がいたずらな答えに戸惑うぼくが見える。今までずっと、話したことはない。すべて、頭の中で貴女のイメージが動いているイメージだ。アテレコはしない。すべて自分の妄想で成り立っている。
ホームに上がると、列車来るというアナウンスが流れていた。
マリア、ぼくは心の中でつぶやく。
マリア、作られた世界を壊して。
マリア、ぼくのそばにいてください。
そして、列車が入線してきた。
マリア、まだ見ぬすべてに。
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