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『ツバサ』One Minute Literature 第十号
こんばんは。ウサギノヴィッチです。
今回もあなたの貴重な一分をいただきます。
今回も掌編の小説を書いてみました。
今回はひと手間加えてみました。まぁ、素人がやることなので、そんなにうまくいったことではないですが。
それでも、よかったら読んでみてください。
それではどうぞ。
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明け方過ぎの国道への細道を二人で手を繋いで歩く。これから、ぼくは東京に旅立つ。高速バス乗り場はもうすぐそこにあった。君の顔は段々不安げな顔になっていく。
──たまには帰ってくるよ。
本音のような、嘘のような言葉で君を元気づける。
思えば、君とは他愛ないことでも思い出に残るほどの一緒の時間を過ごしたきがする。
たとえば、ぼくの部屋。
ぼくの部屋は漫画とCDであふれていて足の踏み場もなかった。プラス、そこに、二人で飲んだストロングゼロが十本以上ころがっていた。二人は共通のバンドが好きで、夜の間中好きなバンドのベストアルバムを勝手に作ったり、トリビュートアルバムを作ったりしていた。そんなハイテンションのままぼくたちは、身体を重ねた。好きなバンドの音楽に合わせて腰をうごかしたりした。君は喜んでいた。
いつもこんなことをしていたが、別れは突然だった。
だれが決めたかと言えば、ぼくだった。
あんまり栄えてない街でバンド活動をやっても仕方がない、もっと都会に出て活動しないといけないと思った。今はYouTubeがあるから、そこもねらい目かもしれないが、それも都会に行ってからやりたいと思った。
君には言った。
──君を捨てるわけではない。
本当にこっちに帰ってくるかはわからなかった。成功するまで、当分戻ってはこない、と決めていた。
都会に来てからどれくらい経っただろうか。君のいない生活は味気ないもので刺激なのないものだった。一回だけ新宿に行ったが、どうしても君のことを思い出してしまって、途中でやめてしまった。
バンドは軌道に乗り始めたように思えた。インディーズだが、CDを三枚出した。八十人くらいのキャパのライブハウスならいっぱいすることができるようになっていた。ただ、それ以上に伸びること難しかったがあった。君にメールをしようと思った。君と撮った写真を見ながら、君のか細くて白い腕となで肩を見ると懐かしく思う。君の傍にいた方がよかったのかもしれないと思う。ふと、時計を見ると、左回りに回った。
今も信じている、いつも忘れないよ。もう戻れない日々を。
君は、サラリーマンとしてうまくやっているかな。君みたいな御曹司は、勝手に役職が上がっていくのだろう。会社を継ぐから、ぼくにはついてこれなかったのはわかっている。君には、君には君の事情があるのはわかる。ぼくみたいなギャンブラーみたいなことは似合わない。それは付き合っているときからわかっていた。身分違いの恋愛だったのかもしれない。
でも、お互いの夢がかなっていつかまた会えるなら、二人共に笑顔で会いたい。
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