岐路(Pさん)

 そろそろ、岐路に立っているのを感じる。
 今、自分は三十三である。いろいろな能力を鑑みて、というのは主に体力と記憶力のことだが、そろそろ踏ん張り所であり、たぶんここから向上することはなく、悪くなる一方だろう。
 小説を、実際に書き始めてから六年になるらしい。未だに、これを書いたから読んでみろと言えるものが、書けた気がしない。
 少なくとも、百枚オーダーの、まとまった小説が書けるんだろうか。今まで、崩れる本棚に寄稿していたものが、ほとんど自分の書いたもののすべてで、良くて二十枚程度、多くても五十枚越えたことはなかった気がする。
 枚数の問題ではない気もするが……だとしたら、何の問題なんだろうか。
 場所はすでに揃っている。現状では、イベントで配布するというのは厳しいけれども、通販で売ることも出来るし、少し工夫すれば、電子書籍で配ることも出来るし、ここnoteに上げて、売ることも出来る。
 要はその価値を持つものが書けていないということだ。
 公募に出せるような小説も、書けていない。
 公募に出せるような小説を、今から立ち上がるような感じで、果たして書けるものだろうか。
 これに関して、後押しをする人間というのがいない。仲間や家族はいるにはいて、理解を示すということはあるけれども、結局、休みの朝に起きて、何か着想を得て、書き始めるということは、これ全て自分でやらなきゃならない。
 今noteでやっている企画、目がテンとかエッセイを書くとか、そういうことも、ゆくゆくは小説を書くことに資すればいいと思ってやっていたが、やっぱり、小説を書く肥やしは小説と向き合うことでしかない。
 三十三は、そろそろ折り返す。半分三十四に踏み込もうとしているところだ。三十五になるまでに、まとまった量の小説が書けなければ、筆を折ろうと思う。

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