漏(Pさん)
寝しなにシャウエッセンを食べた。厳密にはシャウエッセンではなかった。シャウエッセンに似ている、スーパーで売っているウインナーだった。ウインナーと、ソーセージの違いを、昔はわからなかったし、今でもふとした拍子にわからなくなる。
「漏」という字。もとは、「屚」という形が同じ意味を持っており、「尸」は屋根を意味していて、「雨」が漏るからこの形になったそうだ。余りにも、余りにもそのままの字義で、拍子抜けした。しかし、字形を覚えるのには重宝した。「説文解字」も、もしかしたら、半分くらい意味などぜんぜん解らなかったけれども、文字の想起に役立てるために、いろいろ理由を練ったのかもしれない。
さらに、さらに悪いことには、もともと、字を作った人間が、後半、システムのことなんかなにも考えずに、半ば適当に作った字なんかも、あったのかもしれない。
今日は、半日くらい本を読んでいて、半日くらい文字を書いていたのだが、ほとんど忘れてしまった。忘れてしまったのは、読んだ内容に関してだが、書いたことに関しては、ほとんど自分に役に立たずに反古にしてしまった。
一日雨が降っていて、ほとんど外に出ることはなかった。朝食に食べるパンと、昼食に食べるはずである親子丼を、スーパーで買っただけだった。実際に、昼に親子丼は食べた、夜まで、あるいは明朝まで取っておける類のものでもなかったから。スーパーには、あいかわらず人がたくさんいた。ごった返していた。
どうも、緊急事態宣言や、それが発される前あたりから、むしろ日中に出歩く人の量が増えている気がする。しかも、何か言い知れない熱狂のようなものを携えながら、いわば熱に浮かされて、歩き回っているような感じがある。
実に、実に悪い傾向なのではないか。そんなこと知らんけれども。誰か、この光景について書いてくれ。