笑点の続き(Pさん)

 特に歌丸が司会に変わったあたりから、大喜利の中心になっている、というか流れを作る人間というか、何となく見ているとつい視線が集められるのが今の円楽である。
 僕が見ているのは2007年暮れから2008年あたりだから、まだ襲名はしておらず、楽太郎と呼ばれていた。今、円楽を継いでいるのだから、必然的な流れかもしれない。その頃から、すでに桂歌丸と楽太郎の罵倒合戦みたいのは見物だった。歌丸が司会になってからもそれは続いた。その上、席順の左右の隣を巻き込んで「ブラック団」だのと言うのはさすがに日テレの悪い部分を感じないこともないが、そういう意味で、何重にも集中線が引かれているかのように、楽太郎、現円楽の方に注目がいくようになっている。
 他のメンバーは、関係性というよりも一人一人のキャラ立ちだ。小遊三、好楽、木久扇などは万年変わらない。昇太の独身いじりも安定している。たい平がどうにも座りが悪い。冒頭の自己紹介では、楽太郎に騙されて高額商品を買わせられるという作り話を作ってはいるが、どこか切実さに足りない。実はこの座りの悪さは、こん平の時から続いている。楽天家というキャラは、木久蔵と被るのである。たい平は故郷の田舎度合いを小遊三と言い合うというのも作ってはいるが、余りやりすぎると笑えなくなってくる。楽太郎の次に、笑いとキャラの舵取りがうまいのが小遊三だと思う。いつもの元罪人、犯罪ギャグが引いていった時、かなり上手く立ち回る。犯罪ネタが極端になっても、誰かしら実害がないので読後感が爽やかである。歌丸が司会になってから、自己紹介の前にワンクッション、「風に吹かれて飛びそうな人達の自己紹介をお願いします」みたいな卑下のワードをつけるのだが、席順が先頭なので、それを必ず軽く引き継いでから自分の話題に入るのだが、その移り変わりが何ともいえず上手い。ただ、楽太郎が歌丸を罵倒するときの突き抜けた激しさみたいなものはない。

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