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過去の死骸

水玉模様の酸素が肺に溶けていく頃、私の思考は意図せず停止しようとしている。ワガママ色の腕時計は、秒針をハァハァと追い込んでいる。後ろも前も地獄だというのに、考えなしの欲望だけフツフツと煮えたぎっている。


訳が分からないうちは、まだマシなのだろう。本格的に耳を傾けなくなったら、それは終焉の証。何もかも無になるならまだしも、本当の苦悩はこれから始まる。耳鳴りがスタートの合図なら、音も聞こえない胸に手を当てる行為は、既に意味をなくしているのだろうか?


約束を守るべき者が、裏切りを繰り返して信頼をなくす。傷ついた私の心は既に蜂の巣で、奥底に住み着いた女王蜂は死んでしまった。もう誰も信じないと、遺言を残して。


世紀末に人類は滅びたのだ。ならば今世界に居座っているのは何だ?仮想生物はまるで人類の様に振る舞い、この地球(ホシ)を支配している。

勘違いした哺乳類は、今日も寒さに凍えて身を丸くしているが、衰退していってる事に気づいていない。第三者から見ても、哀れで気の毒だ。


語彙力が音も立てずに弾けていく。


右を見て左を見て、もう一度右を見ても、死ぬ時は死ぬんだよ。


「どうせ何も変わらないんでしょ?」

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