つまらぬ話
今宵お相手しますは私、葵と申します。
最後までごゆるりと、どうぞお付き合い下さいませ。
さてさて、秋の夜長に合うような、つまらぬ話のひとつでも。
猫も跨ぐ鯖のよな、遊び心の世に満ちた、くだらぬ戯れ言ございまして、どうやら時期に孵化するようで、お客様は運がよろしいようで、何よりでございます。
殻をつつき生まれた者は、どうやら居座り過ぎた様で歩く事を忘れた様でございます。人は非常に不便なもので、一度楽を知ってしまうと、流れ流され怠け者になるようで。
次に生まれし者は口無し、次は能無し、最後に用無し。
嗚呼何という事でしょうか。
こうして世は移ろい乱れて、後に降るは細雪のような視界の悪い社会となるのです。
つまらぬ話でございました。
どうか、お客様もお気を付け下さいませ。
最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございます。
そろそろ月が雲に隠れますゆえ、失礼致します。