無口な夜
月光
薄明かりに潜む
凛とした彼岸花を照らす
逆光
鏡の中に潜む
瞬きはどんな信号なのか
意味を取り違えた意味深なため息が、夜を走り抜ける時、私は長く伸びた髪を揺らしながら、何処までも何時までも消えてしまった真実を探し続ける。
螺旋階段を駆ける言葉は
目を回してバタンとしていた
瞬間を手で受け止めて
蜃気楼に馴染ませる
産まれた
育った
老いた
死んだ
今すぐ見つけ出すのは不可能
どうかどうか
察して下さい
この世界に絡みつく幾つもの管は
煮えたぎる血潮である事を
怯えた朝がくる
おやすみとおはようの狭間で