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ある朝の時間

赤血球の中に潜む朝。勢いのある脈を打ち続ける心の臓器は、いっこうにその意志を高めようと必死だ。壁越しに常識がチラリ。非常識が増えていけば、それは音も立てずに常識にかわる。
「今年も冷えますね」
敏感な鳥肌がそう話しかけると
「そうね」
と関心のない葵は答えた。
ある新春の事。

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