裸の瞳
視界が歪むのは、水たまりに眼球が落ちたからでなく、夜空に浮かんだ月が濡れたから。
一時的に離脱した心は、大きな鍵穴を残して鍵を海へと投げ捨てた。
句読点を主食とする詩人は、全ての文字を略して果てた。
悪足掻きした暴君を称えるのは、従事者の仕事ではなく、大人になりきれない小さな陽だまり。
一つの季節が死んだ。
ぶつかり合った滴が水面に波紋を呼ぶ。
悲しい気持ちになるのは何故?
ピントが合ったカメラが写すのは、四角に切り取られた瞬間の死骸。
相乗効果により寄り添う体温達は、急スピードで熱を上げていく。
少しの頭痛を置いて。