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私は液体になった

歪んだ視界に入る前から
沈んだ世界に出る後始末

淀んだ雲に騙された私は
冬支度を始めている蟻を訪れる

「甘くて暖かい食料を分けてください」

錆び付いた身体はギシギシと
老いたオイルを飲み干して
置いたコップは涙で滲む

ミクロの部屋には死んだ私が
髪の毛一本も残さず
羊水に帰っていく

分解されていく細胞と
祝福されない死
影に生かされた水たまりになる

冬の日差しが坂道を転がり
春の眼差しが見える頃には
蒸発しているだろう

跡形もなく
名前も残さず


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