帰れない場所

罪すら映し出す空の白波
悲しみで伸びた髪を切り落とし
生贄になった子を想う

とても泣いてはいられないと
権力者は口を閉じて
書類に印を押し続ける

偽物は本物になりたがる
そんな欲求を満たすのは
ハリボテの言の葉

逃げ出したのでは？と
第三者が苦言すれば
パパパと証拠を処分する

価値のある生き方なんてない
血を吐いて泥にまみれて
汚らしい笑顔は本気を示す

びしょ濡れの声は
時代の壁を越えて
しゅるしゅると伸びる

捕まえた！