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あなたが選ぶ「S4」の瞬間

当たり前ですが、「s4」という言葉が周知されていない..?全然流行ってないのでは?

「S4」?
と思った方は、下の画像をクリックして復習をお願いします。

前回のS4についての記事を貼っておきます

※ちなみに、私は漫画も描いてまして、下書きですが上の画像の主人公が笑った目がS4の言葉とデザインの元の一つです。

こんな感じで

それにしても流行ってないので、s4の言葉の具体的な意味が伝わってないのでは?
と思ったので、具体例 TOP10 を発表します。
と言っても私が知っている、勧められた作品だけから選んでいます。
皆様、どしどし他の作品も教えていただきたいです。
「こんなS4あったよ」
「これってS4? 」
など、とにかく感動した作品、自分に微笑んでくれたと感じる作品を教えて下さい。
よろしくお願いします。


第1回 あなたが選ぶ「S4」な作品 TOP10

ちなみに、私は「ネタばれ」という言葉が嫌いです。作者に対して失礼な言葉だと思うからです。私は所謂「ネタばれ」を見ても物語は最後まで読んだりします。かといって以下の文章に、それらに当たる部分は載せていません。
それでは参ります。




チ。 −地球の運動について−  


作:魚豊

まさしくタウマゼインだね

この作品の冒頭で
「なら一体、何を捧げればこの世の全てを知れる?」
と問いかけがある。
この瞬間が「S4」だ。
この物語を通して読者への問いかけがあり、全編を通して私は魂を揺すぶられた。
念の為に書いておくが、画像にある
「血」「知」「地」
このどれらも、問いかけの答えではない。
今後、この作品は世界をどう動かすのか、楽しみだ。


『星の王子さま』

作:Saint-Exupéry 訳:内藤濯

これは漫画太郎先生バージョン

かの有名な、『星の王子さま』の冒頭でも、S4の瞬間が見られる。厳密には、作者から友人へ作品を贈る事の献辞が綴られている。そこで、作者は小さい頃の友人へなげかけている。
この「小さい頃の」という言葉で一瞬にして作者は、老いも若きも全ての読者へ作品を届けてくれた。

私がなぜ、内藤濯さんの訳を好きなのかには理由がある。彼はフランス語で書かれた原文を奥さんに読んでもらい、人の声から翻訳したのだ。
さまざまな訳が出回っているが、わたしは彼の訳が1番尊いと思う。

漫画太郎先生の漫画バージョンの画像を使ったのにも理由がある。
彼の漫画で泣くことはないだろうと皆さん思うだろう。私もそう思う。
しかし、私はギャン泣きしてしまった。
まさかの最終巻、物語が微笑みかけてくれたのだ。


『独裁者』(The Great Dictator)

監督:Sir Charles Spencer Chaplin

伝説のラスト6分間

私は、チャップリンの『街の灯』が大好き。
しかし、ここはS4ということで『独裁者』の演説を上げさせてもらった。
西側諸国のプロパガンダともとれるが、それはさておき、この演説は世界中の人が見た方がよい。
ムヒカ大統領と並ぶ素晴らしい演説だ。


『スンスン』

作者:パペットスンスン

彼は、6歳のパペットだ。
私は、彼がいつかセサミストリートから訴えられないかヒヤヒヤしている。
InstagramやYouTubeで活躍しているので、その他の動画も見て欲しい。
おじさんの裏声もだが、1番驚愕したのがBGMが全て自主制作なのだ。
作者は、人形を動かしている場合ではない気もする。
一件、無意味な動画のように見えるのも素晴らしい。
さらに驚愕なのは、コメント欄だ。
スンスンの動画をみて、自殺をやめた会社員や命を助けられた人が沢山いる。正直、狂っていると思うが…..。
私も狂っている1人だ。
言うまでもなく、創作と現実の壁を越え人々を救っている。
それがスンスンだ。


『リング』

原作:鈴木光司   監督:中田秀夫  脚本:高橋洋


この作品は言うまでもなく、画像を見たらわかる。TVの画面から何かでている。
ジャパニーズホラーの傑作だ。
屈託なきS4の瞬間である。
単にBreaking the Fourth Wallなだけかも知れないが…

ちなみに私は怖かったので、おばあちゃんと観た。
おばあちゃんが貞子をみた感想は、
「この子喋らんねぇ」であった。
私は、テレビから貞子が出てきたらどうしようと思い、数日はハラハラして生きていた。



『平成狸合戦ぽんぽこ』

監督:高畑勲 スタジオジブリ作品

『木を植える男』という絵本の訳を高畑勲さんがしていた。この事を彼の死後、私は知った。質問もあったので、一度お会いしたかった。悔やまれる。
『かぐや姫の物語』も素晴らしいのだが、S4と聞くと『ぽんぽこ』のラストが思い出される。

その場面について少し。

狸たちは、人を化かす力を最大限に発揮する。
現在の風景を、ほんの一瞬だけでも、昔の森林や田舎の風景に戻そうと必死に働きかける。
そして、過去の記憶を元に、周りの景色を変化させていく。幻想が広がり、人間たちもまた、かつての里山の風景が目に浮かぶ。
人々は、アスファルトの道を離れ、まるで昔の道を歩くように進んでいく。
狸たちの術が美しく描かれ、まるで時が戻ったかのような錯覚を生む。

ところが、逆に人間の子どもたちに狸たちが化かされてしまう。
自分たち狸の小さい頃の幻想が、人間の子どもに重なった。
「小さい頃の俺たちだ」
狸たちが思い出に駆けていくと狸の術は解けてしまうのだった。
その後、観ている観客に狸達は語りかける。
私は既に、狸達が金玉で人を殺すシーンで号泣してしまっているので、ラストの言葉は刺さらない。が、この場面こそ立派なS4である。


『LIFE』

作:玉兎

この曲の歌詞で

なぁ坊やよ なぞなぞ だそう 

空の青いのは海の青さよ 

じゃあ どうだろう 
赤く染まった太陽光は何を映すだろう

と問いかけがある。
皆さんは答えがわかっただろうか。私はわからない。



『最強伝説黒沢』

作:福本伸行

『最強伝説黒沢』第11巻


私は、この漫画を読むのに10年かかった。
途中で心が耐えきれなくなったからだ。
だが、ある日たまたま手に取った。読み進めると涙が溢れて止まらなかった。
正直、なんでもっと早く読まなかったのだろうと心の底から後悔した。
なぜなら、目を背けていた「黒沢」が私を救ってくれたのだ。
主人公である黒沢は私のヒーローだ。
人生に絶望している人には読んでもらいたい。
画像は、ヒーローに助けられたホームレスのオジサンが発した言葉だ。
「俺たちはなんだってできる。しかし、そうだとすれば...」
「今まで不可能とおもっていた気持ちはなんだったんだ? 」
その言葉は読者へ次元を超えて語り掛けてくる。

この作品をもっと沢山の人に知ってもらいたい。
『ブルーピリオド』で数々のオマージュがされているが、黒沢には届くのか?と思うし、ピリオドには同じく絵を描く事に対峙した作品
『ルックバック』の壁が立ち塞がる。

誰か黒沢を映画化して、みんなを喜ばせろ!
と思っている傍ら、私は地道に黒沢の脚本を書いていたりする。

『最強伝説黒沢』

○アカネおばあちゃんの膝の上で走馬灯をみる黒沢

ある日、見学会があった。小学生らと、その学校の先生が黒沢達の職場の見学にきたのだ。
そこで先生は黒沢達を指差しこう言った。
「みんな 勉強しないとああなるよ」

その後、黒沢は後輩から尋ねられる。
「黒沢さんは何故この仕事をつづけているんですか。」

黒沢は、唇を噛み締めながら、こう答えた。
「かっこいい仕事しか興味ねぇからだ」

だいぶ昔に連載が終わった作品の企画は通しにくいらしい..

『寝る子はよく育つ』

作:うえむら

言葉にするのはもったいない気がする。
素晴らしすぎるのだが...
彼女の作品についての気持ちは、自分の中に秘めておきたい。



『ヒミズ』

監督:園子温

拍手が鳴り止まなかったラストシーン

原作では、主人公が自殺をして物語は終わる。
私は、それを見るために映画館に向かった。
〝かもめよ かもめよ かもめさん 私に地獄をみせてくれ〟
と言った感じで、私はふらふらと劇場へ向かった。
それなのに、期待は裏切られる事になる。
主人公は死なない。
それどころか、警察に自首をする為に走ってゆく。

そのシーンの台詞は、(主人公自身の名前を叫んで)

「がんばれ」

これだけだ。
最初、主人公自身に言っている言葉だが、映像のカットから観客に向けたメッセージだと気付かされる。
そして、映像は3.11で荒廃した瓦礫の山に変わってゆく。

主人公は、中学を辞め働く事になる。親に捨てられ、人も殺した。後は自殺をするだけの人生...
そんな彼が

「がんばれ」

と言ってくれている。
人生に絶望していた彼が、私を励ましてくれた。今でも思い返すと、暖かい気持ちでいっぱいで溢れそうになる。
監督は、3.11があり、慌てて脚本を書き直したらしい。書き直してもらってよかった。
物語、これからの人生は、「書き直す事ができる」そう思えた。
この作品のおかげで、私は前を向く事ができた。だから、いまを生きている。



以上が私の思う「S4」です。
皆さんも、作品名だけのコメントでもいいので、いろいろと教えてください。
TOP 10 と言いながら、私にはランキングを付けることはできませんでした。
私に、作品を評価して数字をつける事はできなかったのです。
嘘をつきました。ごめんなさい。

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kuzumiman
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