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藍に深し

愛だから
なんだ? 
恋だから そうだ

『藍に深し』Cocco

今まで、ライブでしか聴くことのできなかったレジェンド級の楽曲があった。その曲がスタジオでレコーディングされ、CD化された。(奇遇にも私の誕生日に!)
地面に糸を縫い付けたように見えるジャケット写真もかわいい。
海を綺麗にする為、海岸に落ちていたゴミで作ったんだろうか。綺麗だと思う。
CDは、ライブ会場でしか購入できないみたいだ。
けど、この世のどこかに音源がある。それだけでとてもうれしい。
Coccoは、歌い方に定評がある。
ブルーハーツを彷彿とさせる踊り(?)で目を奪われる。

伝説もある。メディアに登場することのない彼女だが、タモリさんが司会を務めていた「エムステ」というテレビ番組に出演したことがある。
通常の番組の構成としてはこうだ。
司会とアーティストが軽く会話をし、楽曲を披露する。その後、司会者が歌詞の事などを軽く深掘りしていく。

しかし、伝説は突然と現れた。
彼女は、歌い終わって、タモリさんが話をする間もなく走り去ってTV画面から姿を消した。

はじめから伝説だった。
登場してそうそう、Coccoは活動休止前の思いを語り始めた。(え?休止すんの?)

タモリさんから
「なんで活動を中止しようと思ったの?」
と聞かれると

「海も汚れてきたからゴミも拾わんといけんし」
と答えていた。
Coccoの出身地は沖縄だ。

タモリさんからの他の質問に、だいたいは頷いて返す感じだった。
(テレビにでるのめっちゃ面映そう)

そして、歌い終わるとバレリーナのように綺麗に お辞儀をして、走り去った。

タモリさんはあっけにとられて、「Coccoは沖縄に帰ったんだろうね」と締めくくっていた。

私はこれらの事に対して、夢か?と思う。そんな伝説だ。



この伝説の歌手を教えてくれたのは、私の友達だった。
ここで、友達の説明をしたい。
その友達は、とあるライブ会場で酔っ払い、気が付いたらステージに立っていた事がある。
そんな、恐ろしいポテンシャルを秘めた友人だ。
嘘みたいな話だが、実在の人物で、苗字などは伏せる。

ステージに上がり、バンドの関係者でもないのに意気揚々と2次会にも行き、比喩でなく、階段から転げ落ちて再び記憶を失う。
どう考えても迷惑だ。
次に気が付いた時には、ベンツの車体の下で目が覚めたらしい。
寝ている間に、車が発進していたら、友達はこの世にいないであろう。
友達は、そのことに感動し
「神さま ありがとう」
そう思ったと語ってくれた。

いやいや、普通に酒をやめろと伝えたい。
しかし、私はいろいろなエピソードや音楽を提供してくれて面白い友達なので、言えていない。
野放しにしている。
私にとって、友達はCoccoと同じく十分に伝説の存在なのだ。
ときおり我々は、お互いの名前に「みこと」をつけて呼び合ってみたりする。そのくらい仲が良い。

「みこと」
とは神社や文献で、いざなみのみこと イザナギノミコト
という風に普遍名詞の後につけられている。

この言葉に関して、「尊」「命」のどちらが漢字として正しいのか、真面目に論じられたことがある。くだらない話だ。
古文書には、どちらでもよく
「上下身分の隔たりのない意」
となっている。
こんな風に、もとは記していたらしい。

『上記』(国立図書館所蔵)

私見だが、この文字の外枠をなぞると△ができる。
横に三本の線をピラミッドの土台ように書き、二つの線を縦に書いている。
しかし、△の頂点の部分に係る筆跡がない。
頂点には何もなく、平等を表そうとした文字ではないか?と思っている。

いざ 凪、波 みごとなり。どちらも尊い。
私は友達の事を尊いと思うから、みことをつけて時々そう呼ぶ。友達の事が大好きなのだ。


友達は、私に向かって
「いつになったら世の中にでるの?」 
そう、言ってくれたことがある。
(いやいや、私は酒をのんでステージに上がらないし、普通に働いているからいいじゃん)
そう思ったけど、心の何処かで、なぜかうれしかった。

当時、友達は無職であった。
今は、転職し大企業で働いている。
現在は、落ち着いているようだが、職を転々としていた事がある。
過去に、友達は、豚のキンタマを引きちぎる仕事もしていた。
普通は、子豚のキンタマをハサミで切り、アルコールで消毒する。キンタマがついていると子豚が成長する過程で肉が臭くなるとの事だった。
友達は少し違った。素手でいくらしい。
引きちぎる時、手で豚の玉を握ると
🐷「まさか、そんな事やりませんよね?!」
って顔で、豚がみてくるらしい。人間にはやらないようにしてほしい。


伝説の人が歌い、伝説の人から教えてもらった楽曲のリンクを恐縮ですが使わせてもらいました。
誰かの人生が+になりますように。


祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

『平家物語』

私は『藍に深し』がレコーディングされたことを知り、うれしかったので、友達にその事をメッセージで伝えました。
この文章を書いている間に、友達から上の『平家物語』の言葉が送られてきました。
「Coccoの楽曲で、歌詞でなく音楽として使われているんだけどすごくない?聴いてみて!」
と動画も一緒にです。(歌声をサンプリングして曲にした?)
今から聴いてみます。

友達にはいつも感謝しています。
記事に書いた友達以外にも、数は多くはありませんが友達に支えられて、私は生きています。
尊敬できる友達たちに、教えてもらう事が沢山あります。

私は、心の底からお互いを尊敬できればいいな、と常々おもっています。
難しいですが、その尊敬に対する主語は何でもよいと思います。
上司でも、恋人でも、後輩でも、友達でも、嫌いな人やソフレ、先輩でも、戦時中に敵であっても、または好きな人でも、夫でも妻でも、取引先でも発注者でも
あなたが名称を何と言おうが、尊敬できる人間を1人でも多く見つけることができる人間になろう。
私は、そうなりたいと思う人間の追記でした。
人類全てが尊敬しあって生きていたら、とてもステキな事だと思ったんです。
そんな感情を、『藍に深し』は私にとどけてくれたんです。
ラブレターを受け取った時のような、そんな音楽だと思いました。
「青春は、遠くから眺めて、初めてわかる。」そう思いました。



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kuzumiman
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