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「手話」は目で伝える「言語」である
刈谷市議会6月定例会において、「手話言語条例」の制定が決まる見通しです。
契機となったのは、国において昨年5月に「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が可決施行されたこと。
本法については、以前、私から議会で取り上げさせていただき、その後、同会派の議員から後押しをいただきました。
特に選挙が近づくと「〇〇無償化」「〇〇補助金」といった経済的な損得を訴えるような政策メニューが並ぶ昨今ですが、この条例の制定については、なんと言いますか、道徳的。
刈谷市手話言語条例の冒頭には、「手話を広く市民の皆さまへ理解と普及を図り、支え合いの地域社会を目指す。」とあります。
「困っている人がいたら助ける。」
子どもの頃に家庭だとか学校で教わった、「人として何が正しいか」という道徳的考えに基づくような、そんな条例文だと感じます。
本条例の制定を機に、手話が広がることに加え、音声をリアルタイムで伝える「窓口支援システム」等、様々なコミュニケーションメニューが出てくることにご期待ください。
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この「窓口システム」は、本市に拠点を置く大手自動車関連メーカーが開発したもの。声をそのままテキストにして、リアルタイムでパネルに映し出します。
今年の春には、本システムを刈谷市役所の窓口に置き、聴覚に障がいのある方とのコミュニケーションを支える実証実験が行われました。
実証の結果、いくつか課題が残ったものの、今後、同システムの機能拡充を期待しながら、今後、本格運用に向けて検討を行う方針です。
刈谷市議会議員
くずはら祐季