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【インドネシア】バリ島のお供えもの「チャナン」とは!

バリ島に来たことがある方は、町中至る所に供えられた、「チャナン」を目にします。空港にも、レストランの入り口にも、お寺にも置かれている、色とりどりの花が盛られたお供え物です。この、チャナンの置かれた風景が、バリの象徴と言っても過言ではないでしょう。本日は、チャナンについてお話します。

チャナンとは

バリ島を訪れて気づくことの一つに、道端に落ちているカラフルなお花や草が入った、葉っぱでできた箱のようなものが置いてあります。バリ・ヒンドゥー教の方が毎日お供えするのが「チャナン」と呼び、朝晩のお祈り(スンバヤン)の際に使用するものです。中には花や草だけではなく、キャンディーやお菓子、お金さえいれてあることがあります。

バリ・ヒンドゥーのお供えもの

バリ島で人口の9割が信仰しているとされる宗教が「バリ・ヒンドゥー教」です。これはバリ島独自で発達したヒンドゥー教の宗派となります。バリ・ヒンドゥー教は、慣習を重んじる宗教で、その中でも儀式と供え物は欠かせない大事な慣習となります。

チャナンは1日に2回以上お供えするほど、バリ人にとって重要なものです。毎日のお供えのために、現地の女性たちが手作りで用意します。椰子の葉で編まれた小さなお皿の中に、色とりどりの花がたくさん供えられます。この際に、聖水とお米も用意します。

至る所にいる神さまに捧げる

チャナンとは、「美しくありますように」という意味で、1日を平和に過ごせるよう神さまに見守ってもらうために捧げます。

チャナンといえば、色鮮やかな花が魅力的ですが、ただ美しいから捧げるわけではありません。花は自分の心を表し、花の色ごとに東西南北を守る神さまを表しています。

バリ・ヒンドゥー教の世界では、神々はいたるところに宿っており、家寺の中の各祠はもちろんのこと、各建物、台所、米倉、井戸、排水溝、門、車やバイクや自転車などの乗り物など、あらゆるものすべてにお供え物をします。

悪霊にも捧げる

チャナンですが、神様だけでなく悪霊にもお供えします。地面よりも高いところに置くのは神様への捧げ物、地面に置くのが悪霊への捧げ物です。地面には「悪霊」という名の「神様」がおり、「悪さをしないでくださいね」という願いをこめてお供え物を置きます。悪霊用のチャナンは神様への捧げ物と比べると質素です。

旅行者が気になるのが、この地面に置いてあるチャナンですが、置いた時点でお供えは終わっているので、誤って踏んだり蹴ったりしてもまったく問題はありませんので安心してください!

チャナンはバリの人達のお守り

チャナンはバリ・ヒンドゥー教徒の宗教的な儀式で非常に重要なもので、お供え物の中で主となるものです。チャナンは、世界に与えられる平和に、感謝とお礼の形として毎日、神様に捧げられています。その哲学は、チャナンを準備するために時間とエネルギーを必要とするので、その自己犠牲を捧げることのあるようです。

チャナンの慣習により、バリ島の街のいたるところで、綺麗な花々を目にすることが出来ます。供えられた花々が、神様へ祈りを届け、悪霊の魂を鎮め、街の人々の心に安らぎを与えているお守りになるのです。

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