【投資家対談シリーズ②】ベクトルが「LINEマーケで最高の会社」と認めた資金調達の裏側
クウゼンは2023年6月にシリーズA2ラウンドの資金調達を完了し、累計調達金額は、12.5億円になりました。
前回のNCBベンチャーキャピタルの青木様との対談に続いて、株式会社ベクトルの田島様と、当社CEOの太田が対談を実施。投資における考え方やクウゼンへの投資に至った背景、今後の期待などについて伺いました。
-クウゼンとの出会いについて、教えていただけますか?
田島)ニュースリリースを見て、クウゼン様を知りました。直感で面白そうだと思い、サイトから直接問い合わせしました。これまでの投資先も含めて、ほとんどのケースでそのような形で、当社から問い合わせを行い、投資先と会話を始めています。
-どの点について面白そうだと感じていただけましたか?
田島)ベクトルは、マーケティングPRの会社です。色々なマーケティングサービスを知っていますが、コミュニティ作りやユーザーとの距離感の近いコミュニケーションなど、LINEマーケティングはまだまだ伸びしろがあると感じていたところでクウゼン(KUZEN)はただのLINE配信ツールではないぞと感じました。
-代表の太田の印象はいかがでしたか?
田島)お会いするまでは、正直イケイケのイメージを持ってました。経験上、マーケティングサービスの会社はそういう代表が多いためです。ですが、太田さんの第一印象は言うならばテクノロジーオタク。イメージとのギャップがあり、非常に好感を持ちました。
太田)的確に当てて頂き、ありがとうございます(笑)。個人的にもテクノロジーは大好きです。私自身、元々IT分野に明るいわけではなかったので、技術というと重厚長大な製造業のイメージでしたが、CTOの白倉と出会って、ソフトウェアの技術に興味を持ちのめり込んだと言うのが正直なところです。
逆に田島さんの印象については、ビジネス、特にマーケティング分野を現場に近いところで見ていることから、最初から嘘がつけない方だと感じました。LINEに関しても当然ですが把握されているレベルの度合いが段違いなので、クウゼン(KUZEN)がどうして顧客のニーズを掴んでいるのか、高いレイヤーで物事を話さざるを得ないという印象でした。
田島)これまで沢山のマーケティングサービスの売込みを受けてきましたが、ベクトルのグループ企業を含めてほぼマーケティング分野は網羅できているので、「当社グループでやっているあのサービスだな」と感じてしまうことが多いです。その意味で太田さんからは、テクノロジーの切り口からお話をして頂いた為、強い印象を持ったのを覚えています。マーケティング支援会社とは一線を画す特徴を持った独自の事業を展開していると考え、スピーディに投資検討が進んでいきました。
-どの様な基準で、投資判断をされるのでしょうか?
田島)大きくは3つの観点で判断をしています。①経営者が優秀かどうか、②サービスのわかりやすさ、③会社が定量的に成長しているかの3点です。特に①経営者に関しては重要ですね。ベクトルは、創業者で代表の西江が会社を大きくし、後発の会社ながらアジアでNo.1のPR会社になりました。さらにいうと、PR業界に誰から見ても分かる言わばプライステーブルを導入したという点で、PR業界にイノベーションを起こしたと思っています。様々な会社に投資していますが、会社のカルチャーはもちろん、サービスの売り方や見せ方など、代表者によって変わる部分が多いです。その点、代表者の資質については重要視しています。
太田)今回、西江さんとも面談をさせて頂きましたが、相手はマーケティング業界の重鎮でありプロフェッショナル。誇張をしても仕方がないので、直球で端的に応えることを意識しましたが、先ほどの田島さんのお話を聞くと、図らずもそれが正解だった感じがしています。
-西江さんは、クウゼンについて何か話されていましたか?
田島)面談後、西江と話をしましたが、クウゼン(KUZEN)というプロダクトは、LINEマーケティングに取り組むクライアントに対して、間違いなく満足度の高いサービスを提供するだろう。と直感的に理解していました。
複数社が既に参入している市場で投資先を決めることはそう簡単なことではありませんが、クウゼン(KUZEN)というプロダクトと太田さんには、それだけの可能性を感じました。
太田)LINEマーケティングは、クライアントのエンドユーザーの属性、購買行動など顧客データの解像度を上げることに尽きると思っています。クウゼン(KUZEN)は、CRMツールなどの外部システムと柔軟に連携ができ、PDCAを高速に回す仕組みがあります。競合製品は、このような外部拡張の柔軟性はそこまで強くありません。クウゼン(KUZEN)の特徴は、そのようなLINEマーケティングのキモを理解したプロダクトになっているところですね。
-出資までの経緯で、印象に残っているエピソードはありますか?
田島)太田さんとYappli(ヤプリ)の話で盛り上がったのを覚えています。
太田)クウゼン(KUZEN)とヤプリは、領域としては全く被らないのですが、顧客へのストーリーテリングが似ていると勝手ながら思っていました。プロダクトが非常に難易度が高いにも関わらずしっかりとしていて、ユーザーにとって使いやすいだけでなく、カスタマーサクセスが強いことも勝手に親近感を覚えています。代表の庵原さんの話でも、iOSとAndroidを同時にコントロールし、かつ正確な情報をタイムリーにユーザーに届けなければクライアントから満足されないという、非常に難しい開発を行なっていると聞いたことがあるのですが、クウゼン(KUZEN)も開発の難易度は非常に高いと思います。またそれを使いこなすためのサポート体制の強さが、競合と比較しての強みになっています。
田島)アプリマーケティングのマーケットも複数のプレイヤーが存在していましたが、最終的にYappliの一人勝ちになったと理解しています。クウゼン(KUZEN)もLINEマーケティングの市場で、ぜひそのような存在になって欲しいと思います。
-今後、クウゼンに期待するものは何ですか?
田島)抽象的な表現ですが、世の中にある製品・サービスで、継続的に売れていくのは、「シンプル」なものに限られると思っています。世の中に対するサービスの分かりやすさは本当に重要。クウゼン(KUZEN)も今以上に、シンプルに研ぎ澄まされていくともっと良いんじゃないかと感じています。
太田)UIUXを、簡単で使いやすい、早い、わかりやすい、と進化させていくと、必然的にサービスの裏側はめちゃくちゃ複雑になっていきます。これはトレードオフの関係ですが、そこをいかに愚直に突き詰めてやっていくかに尽きると思います。一時的なカスタム開発で凌ぐのではなく、ユーザビリティと安定性を兼ね備えた製品の開発をミッションとしてやっていきたいと思います。
-今話題のChatGPTに関しての展望についてはいかがでしょうか?
田島) 実は私の妻が、企業のSNS運用などを仕事としてやっているのですが、SNSに投稿する画像・文章を考える必要がほとんどなくなりそうだと言っていました。本当に世界を変える技術だと思います。一方でChatGPTを扱えるヒトと、そうではないヒトに明確な差が生まれてきます。BtoCのサービスとして定着するには、ChatGPTそのものを使いこなすのか周辺サービスが出てくるのかまだ分かりませんが、しばらく時間がかかるような印象は持ってます。
太田)90年代以降、テクノロジー領域では色々なバズワードが生まれては消えてきました。今回の生成AIについては、大きく世界を変える可能性のある技術だと考えています。我々として追い風だと思うのは、対話型のインターフェースがさらに注目されるきっかけになる点です。いわゆる老若男女誰でも使えるような入口のハードルの低さがあるため、この点にいかにレバレッジをかけて、サービス化していけるかが重要だと思います。当社は、ただ単にChatGPTが流行しており、すごい技術だからという理由で取り組むのではなく、日本の成長に寄与する、ユーザーに役立つサービスになることを目指して、開発を進めていきたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は「【投資家対談シリーズ③】UTECが躊躇なく追加出資。クウゼン(KUZEN)の今後の可能性について」をお届けいたします。
是非、お楽しみに!
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