【独り歩きごと#5 フィンランドのスモークサウナ】
仕事でフィンランドに行く機会がありました。丁度、クリスマスの1週間くらい前の夕刻、ヘルシンキに着いたので、街はクリスマスの飾り付けの中、沢山の人で賑わっていました。ヘルシンキ中央駅近くの広場では、屋外スケートリンクで多くの人が楽しそうにスケートをしたり、民族衣装で踊っていたり、また、大学が近いこともあるのか、若い人達が溢れていました。
翌朝、フライトまでの短い時間、街を散歩。昨夜とは違い、しっとりと落ち着いた感じ街でした。ヘルシンキ中央駅から、少し歩くと、帆船が係留されている港に。潮の香りで胸を満たし、ホテルに戻り、その後、目的地のバーサまで移動。
バーサは、北極圏に近い街で、この時期は1日中ほぼ夜で、お昼の数時間だけ太陽が水平線に顔を出し、薄明るくなります。ということは、運が良ければ「オーロラが見れる!」とワクワクして、バーサ行の飛行機に乗り込みました。
飛行機から見た滑走路は、雪で真っ白。ヘルシンキには雪が全くなかったので、ワクワク感増量(笑)
空港から街中までは、タクシーで。数キロしか離れていないので、あった言う間にホテルに。チェックインし、部屋に入って驚いたのは、部屋のバスにも個人用サウナが。さすが、サウナの国! 早速、サウナで整おーかと、トライしたのですが、使い方がよく分からず、整うことはできませんでした。
翌日、そんなことを仕事相手の方に話していたら、仕事を終えた後、先方の会社の方々から「サウナへ行くので、良かったら、一緒にいきませんか?」とのお誘いが! もちろん、二つ返事で、ご一緒させて頂きました。
向かったのはKaile's Inn Resortという、バーサから20kmほど北西にある、ボスニア湾に面したリゾート施設。
車は、そこに向かい、雪に覆われ森の、街灯もない真っ暗な雪道を雪煙をあげて爆走。時々、鹿(トナカイ?)が出ることもあるそうで、事故もあるみたいなことも言っていました。
妖精とかムーミン(ムーミンも妖精だったような?)が出そうな森を抜けると、目指すKaile's Inn Resortがありました。
受付を済ませ、脱衣室がある別棟に移動し、そこで軽食を食べた後、待ちに待ったサウナに。
脱衣室からサウナにそのまま行けると思ったら、なんと、素っ裸になって、雪の広場をサウナがある棟まで、ダッシュ!周りは気温マイナス何℃の世界。タオル1枚で素っ裸の身には、ダッシュしないと身体が凍ります!
広場には、いくつかのサウナ小屋があって、50mほど走ったでしょうか、その内のの1つに到着し、念願のサウナに。小屋の扉を開けると、熱気とともに、匂いの付いた煙が。ん?この煙、なんか知ってる匂い、しかも美味しそう。
話を聞くと、サウナはスモークサウナと言うもので、煙の正体は燻製を作る時の煙と同じとのこと。という事は、これから、スモークサーモンならぬ、スモーク人間になるのですね(笑)
小屋に入り、リラックスをしていると、メンバーの1人がストーンに水をかけて、蒸気がブワーっと!すると、温度が上昇し、リラックスから耐える時間帯に突入。蒸気が無くなってくると、誰となく、また、ストーンに水を。(自主的な「ローリュー」というのでしょうか(笑))
これを数回程度繰り返し、限界となったところで、一斉に、素っ裸で外へ!ある人達は、海に飛び込んだり、また、ある人達はホットバスに入ったり。私は、もちろん、初心者ですので、ホットバス。見上げると、満点の星空。時間を忘れて、空を見上げていました。フィンランド、最高!って心の中で大きく叫んでいました。
少しすると、海に行ったいた人達が戻ってきて、再度、サウナへ。これを数回繰り返し、昨日の分を取り返しても余る程、十分に整いました。
行ったメンバーから聞いた話ですが、
・嫌な奴がいたら、サウナの上段に座らせ、自分はストーンの傍に座り、水をかける役をしなさい。その心は、熱い蒸気は上にいき、ストーンの近くは上ほど熱くならないので、嫌な奴は先にでるから。
・ツイていれば、女性と一緒にサウナを楽しむことができる。更に、ツイていれば、美人とサウナを楽しむことができる。でも、上段を勧められたら、ツキが無かったと思いなさい。(女性の場合、イケメンということでしょうか?)
とのこと。
シャワーを浴び、洋服を着ても、燻製のいい香りが。なんと、香りが肌に浸透し、スモーク人間になっていました(笑)
帰りの車の中、翌日の会議室の中、言うまでもありません、ビールが欲しくなる空気が充満していました(笑)
因みに、Kaile's Inn Resortからは、帰る際に、「とても楽しんだ」旨の免状を頂きました。
後で調べたのですが、Kaile's Inn Resortはサウナだけでなく、宿泊施設やレストラン、ツアーなども充実しており、自然と一体となった素敵なリゾートだったようです。機会があったら、是非!スモークサウナお勧めです。運が良ければ、オーロラも見れるかも。
バーサからは、ボスニア湾を渡るフェリーがあり、対岸のスエーデンのウメオまでは約4時間で行けるようです。なお、冬季は海が凍結することもあるそうなので、運行されるか、確認してくださいね。
因みに、スエーデンには、世界一臭い「Surströmming」という食べ物でありますが、どうも味的には、癖になる人もいるようです。味は別として、ドリアン的な習慣性があるみたいです。
オーロラの話は、また別の機会に!