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ソフトウェア資産分析 ~ gumi
最近の決算発表を見ていてちょっと気になった会社があったので、書いてみることにしました。
gumiについてです。
4月決算会社であるため、2020年1月度の決算(2020年4月期の3Q分)が開示されています。
2019年11月にリリースした『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』(スクウェア・エニックス配信)(以下、FFBE)がヒットしているようで、この売上が好調であるため、利益も出ているようです。
そして、通期業績としても、ゲーム事業としては20億円近い営業利益で、全社としても17億円くらいの営業利益がでる想定のようです。
さて、そういった状況ですが、タイトル通り、ソフトウェアの金額を見て見ましょう。
ソフトウェアなどの無形固定資産が、9ヶ月間で20億円近く増加しています。
こちらは決算説明資料ですが、Qごとにだいたい20億くらいの開発費用を使っているようです。これらのうちから、3Q期間で、20億円近い金額をソフトウェア資産(仮勘定含む)に計上したということでしょうか。
2019年4月期から、Qごとの無形固定資産の動きをみてみます。
単位は開示単位の千円で、連結の数値しかないため、連結での金額で表しています。
1Q期間である、2019年7月の時は、明細での開示がないので内訳は不明ですが、Qごとにソフトウェア関連資産が増えていっていることがわかります。
この3Q期間中に、ソフトウェア勘定が11億円増えているのは、先ほどのFFBEがリリースされたことにより、開発途上だった仮勘定から本勘定へ振替たためと考えられます。(その他のタイトルもあるかもしれませんが)
ソフトウェア仮勘定にまだ22億円ほど計上されていますが、それらはこちらの開発費用であると想定されます。
3Q累計での営業利益が13億に対して、ソフトウェア関連の資産増価額が20億なので、もし仮に、ソフトウェアを資産計上していなかったとしたら、マイナスになっていたことにはなります。もっとも、FFBEがヒットしているということなので、すでにソフトウェア資産勘定に計上されているこちらの資産計上については問題なさそうなので、あとは仮勘定に計上されている開発中の資産がちゃんと資産性があるかどうか、というところでしょうか。
これまでのところ、PL上は利益をしっかり出してきていますが、今後、現在開発中のゲームが予想通りの売上に行かなかったりすると、大きな損失をだす可能性もあるかもしれません。