ペーパーレスの未来 電子契約③
前回に引き続き、電子契約ネタをもう少し触れていきたいと思います。
ちょうど最近アップされていた記事で、こういうのがありました。
電子契約に関する2つの提案
冒頭にも書いてあるように、電子契約の送付先メールアドレスを収集・管理する一般社団法人を運営してほしい、ということらしいです。
電子署名法準拠の電子署名を電子契約一般に用いるのは導入負荷が大きいので、相手方に0の段階から導入をお願いするのは現実的ではないらしいです。それで電子契約の各サービスはそれを回避する工夫をしているようですが、この提案にあるような組織を作って運営管理すればちゃんと法令に則った形になる、ということですかね。
如何せん私もこの辺りは実務で対応している訳ではないので、それが可能なのかどうかはよくわかりません。
「請求書と押印⑤」で述べたように、電子署名があまり普及してはいないような状況を踏まえてのことなのでしょうね。
法令の理想とする姿と、対応可能な現実レベルのズレというのは至るところでみられる事象ですが、こちらもまだその段階というあたりでしょうか。
ところで、話変わるのですが、電子契約にすると、作成日時も記録されるため、バックデートで文書作成されることがないので、ガバナンス上も良いことだ、という点があります。
実はこれの裏返しの面もあるような気がします。
例えば、もしかするとこんなことがあるかもしれません。
決算期が3月のある会社があったとします。4月に入って、3月の決算締めをしていて、売上が計画に未達だったとします。その場合、頼みを聞いてくれる取引先と3月に取引があったことにして、その取引の売上を3月期の売上に入れる、とかーーー(あくまで仮定の話です(;^ω^
その場合、契約書も後から3月の日付で作成しておくことになると思いますが、紙であれば、いつ作成したかは記録に残らないので(押印簿とかの日付も変える必要ありますが)、ある程度そういったこともやれてしまうかもです。しかし、電子化されると、いつ作成したかが分かってしまうので、そのあたりもやりづらくなるかなぁ、と。いや、もちろん、そんなことはあってはいけないので、やれなくていいんですがねヽ(´o`;
(現実的に、取引が先行して開始されていたけれども、契約書の作成手続きだけが遅れていて、後から作成する、というのはあるとは思うので、必ずしもバックデートがだめだ、という訳ではないとは思います)
しかしそう考えると、キャッシュレスを嫌がる要因の一つとして、取引の履歴を残したくない、というニーズのある人たちにとっては、現金決済の需要が根強く残る、というのと似ているところもあるような気がします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?