無形資産の内訳 4
前回、この話はこれで最後かもと書いたのですが、もう1つだけ触れてみたいと思います。
日経記事のランキング18位の「ウィルズ」についてです。
事業内容としては、株主管理プラットフォームということで、「株主優待プレミアム」や「IR-navi」といったサービスの運営をしています。
2019年12月に上場したので、上場企業としては、まだ1年経っていない状況ですね。
直近のBSです。2020年6月末時点の状況です
「ソフトウェア」「のれん」「顧客関連資産」などが計上されています。ソフトウェアが比較的大きめな金額となっています。
2019年12月の上場時の有価証券報告書に2017年、2018年の12月末のBSがあります。
2018年中に「のれん」や「顧客関連資産」などが発生したことが読み取れます。
この時の注記情報に企業結合について記載がありました
「アレックス・ネット株式会社」を合併したことにより、のれん等が発生したことになります。
また、PPAにより顧客関連資産を39百万円ほど計上したことになっています。
ついでに、固定資産明細をみてみると、このようになっています。
ソフトウェアの大きな残高は、前述した「IR-navi」や「プレミアム優待倶楽部」のサイトの制作費用に使われていたことがわかります。同社にとって、これらがビジネスの主力であるために、大きな金額を使っていることが把握できます。そのため、この日経ランキングでも上位にランキングした、というところです。
ところで、株主の議決権行使を巡っては最近、こういったことが大きなニュースになりました。
大手の信託銀行での議決権行使の集計が不適切に運用されていたというものでした。
ウィルズ社の事業の説明で下図があります。
電子議決権の管理などもこれらのサービスに関わっているようですので、この辺り、もしかすると、議決権管理のビジネス領域に影響を与えてくるのでしょうか。