ソフトウェア資産分析 ~ ワークマン
前々回、前回とワークマンについて書いてきましたが、今回はいつものようにソフトウェア資産分析について触れていきたいと思います。
ワークマンは店舗営業なので、ソフトウェアはあまりないのではないか?という気もしますが、これまで紹介してきた書籍の中でも紹介されているように、「データ経営」を重視してPOSデータ分析システムなども導入しています。
また、第6章でも触れられていますが、元々楽天にもショップを展開していたのを今年2月に撤退しています。
そして、ワークマン独自の「Click & Collect」に対応した通販ソフトを開発しています。
ではこういった前提を元にして、ワークマンのソフトウェアがどのようになっているのかを見て見ましょう
事業内容
事業内容については、これまでも書いてきたので特に触れなくても良いでしょう。
ちなみにワークマンは、ベイシア、カインズといった企業のグループに属しています。有報には下記のように記載されています。
当社は「ベイシアグループ」の中核企業として、小売事業部門の専門店事業部門に属しております。
ちなみに、店舗数はこのように増加しています。1年で、837→868店と30店舗増えています。
決算状況
業績は好調で、2020年3月期は前年から30%以上の売上の伸びを見せています。
また、5年前と比較すると売上は約2倍になっています。
特に顕著な伸びを見せているので、2019年から2020年ですね。
そして、現状のコロナの環境下でも売上を伸ばしているのは、前回の記事で触れた通りです。
ソフトウェアの状況
さて、いよいよソフトウェアです。
ワークマンは連結はなくて個別だけなので、個別決算だけを見ていきます。
2019/3末から2020/3末で約2億円近く、倍近く増加しています。店舗数は増加してはいますが、2倍には増えていないので、何か増加要因があったはずです。
附属明細はこのようになっています。
全体の中での割合が小さいせいか、増減内訳等が記載されていません。
そこで、有報の「設備の状況」を見てみます。
Click&Collect型新ECサイトの構築やソフトウェアの開発などで296百万円であります。
このようにECサイトなどの構築で3億円近く使ったことがわかります。ECサイトだけの金額がどれくらいかは不明ですが、かなり力を入れたのではないでしょうか。
当期の設備投資計画にはソフトウェアの言及がなかったためそれほど大きくはないのかもしれません。決算説明資料にはこの点の言及があります。
EC販売 Click&Collectの推進
2020年3月期に投資したECサイトを今年度は活用していく、という流れでしょう。
(税効果会計の注記はソフトウェアについての個別項目はないので、税務処理の点は不明です)
おまけ
ワークマンは店舗営業がメインなので、設備投資は店舗設備等の有形固定資産がメインでしたが、ECサイトのようなソフトウェアにも投資をして販売を拡大していくということでしょう。
そして、ECといっても宅配ではなく、店舗受け取りを想定して進めているようです。例の書籍の第6章にも書いていますが、宅配分野でいうとAmazonには勝てないためであるようです。
書籍ではこのように書かれています。
オンラインストアは継続するが、在庫が分かる商品カタログとして使ってもらい、基本的には店で購入してもらうのが理想だ。
今後のワークマンのECの展開も期待です。
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