ソフトウェア資産分析 〜 フリー

フリーの上場が発表されましたね。(って、触れるタイミングがだいぶ遅いですが)

どうでもいい話ですが、東証のページ有価証券届出書の記載では、会社名は「フリー株式会社」でカタカナ表記となっているのですが、自社の会社概要のページでは「freee株式会社」となっていますね。登記名の方が、「フリー」のカタカナ表記のようですが、ホームページに、アルファベット表記するくらいなら、登記を「freee」のアルファベット表記に変更しないんでしょうかね?すでにfreeeの名称を使っている会社があったからとか?でしょうか

さて、今回は、このfreeeのソフトウェアをちょっと見てみましょう。(「フリー」とカタカナ表記すると、無料の、みたいな意味に見えるので、ここでは、freeeと表記していくことにします(;^_^A)

freeeソフトウェア

連結財務諸表もありますが、これまで通り、個別財務諸表をベースにみていきましょう。

これをみて分かる通り、2018年6月末時点ではソフトウェア残高0だったのが、上場直前期にあたる2019年6月末時点では、ソフトウェア残高が発生しています。では、その内訳はどのようになっているでしょうか。

freee資産明細

ソフトウェア仮勘定として、「自社開発ソフトウェアの資産計上」と記載があるので、ご存知の会計や人事システムの制作費用が資産計上対象となっているとわかります。

細かい内訳まではわかりませんが、おそらく、人件費のところもかなり大きいのではないかと思います。2017年10月の時点で、エンジニアが100人ほどいたようなので、社員の4割程度がエンジニアなのかな、というイメージです。

それで、2019年6月期からソフトウェアの資産計上を始めた要因としては、やはり、この期から将来の収益見通しが立ち始めたから、ということではないでしょうか。(そもそも上場承認されるくらいだから、第三者的にも納得のいく将来的な黒字化の道筋はできているはずです)

これは単なる想像ですが、2019年6月期を直前期として上場申請しよう、であれば、近い将来には黒字化する計画なのだから、この期から資産計上しよう。みたいな話があったのかもしれません。

また、いつも通りの税効果の注記のチェックもしてみると、こんな感じとなっております。

freee税効果

減価償却の項目で、税効果の金額が発生しています(つまり、会計と税務の処理が異なる)が、これだけだと正直、ソフトウェアなのか、あるいは他の有形固定資産なのかわかりません。もしかしたら、過去の会計上は資産計上していなかった分も税務上は資産計上している可能性はあります、というくらいですね。

会社の業績としては、直前期である2019年6月期は、30億円近い営業損失となっています。ただ契約件数は年々右肩上がりで上がっているようなので、どこかのタイミングでは、黒字化すると想定されます。

その黒字化のタイミングがいつなのか、そして、それは会社の予想通り行くのかどうか、というあたりは今後の注目ですね。そして、ソフトウェア残高がどのような変動をして行くのかも注目していきたいと思います。

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