請求書と押印②

前回の続きというところで、請求書と押印についての話です。

ハンコが押されていようがいまいが、請求書としては成立しているのだから、そのまま受け取れば良いではないか、というのが発行側の理論です。一方で、受け取る側(支払う側)としては、社内ルールなどで、印鑑がないと支払えない、となっているケースがあります。

それぞれの言い分があって、それぞれに一理あります。

印鑑が押されてなくても請求書としては問題ない、という点は前回も触れました。では、企業側が印鑑をちゃんと押しているものを要求するのはどういう理由があるのでしょうか?

企業が押す印鑑は、基本的には、会社のルールで、どういう書類にどういう印鑑の押すかが定められています。請求書などの場合は、四角く、会社名が記載されているものなどが多いと思います。そして、どういった書類にどの印鑑を押したのかを、表などに記録して管理しています。

また印鑑を押す担当者も、(基本的には)その書類に押印しても問題ないかどうかをチェックした上で押印します。

ざっくり、一例を示すと下図のようなフローがあるでしょうか。

このように、会社の押印があるということは、その会社において適正な手続きを経て作成されたものである、というある程度の担保があるわけです。(もちろん、印鑑管理をしっかりやっていない会社では、そういった担保はないのですが)

押印がない請求書だと、それが本当に権限のある人によって作成されたのか、見た目からだけではわからない、という欠点があります。押印があることによって、ある程度その欠点がカバーできる、というところですね。

このように印鑑が意味ないかと言われると、意味なくはない、という理由がわかるかと思います。

一方で、発行側の適正な手続きで発行された照明がされれば、印鑑なくても良いのでは?という疑問はその通りです。従来は、慣習としてハンコを押していましたが、別に今の時代、他の手段でもなんら問題ないかと思います。

そして、もう一つ、そもそも個人事業主であるならば、その人自身が作成して送付しているのだから、それ以上の証明はいらないのでは?という疑問が浮かぶのではないでしょうか?

次回以降、そのあたりを掘り下げてみたいと思います。

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