ソフトウェア資産分析 ~ インフォマート
今日は(というか、今日も)ソフトウェア資産分析の話です。
インフォマートという会社を取り上げてみます。
「BtoBプラットフォーム請求書」などのBtoBプラットフォームシリーズなどのサービスを展開しています。
同じソフトウェア資産分析の弁護士ドットコムの時に、コロナの影響下で電子契約が拡大していっているという点に触れました。
このBtoBプラットフォームも見積書・発注書・請求書などの書類を電子的にやりとりするツールということで今後拡大していくのではないかと想定しています。
それではソフトウェアの方の話に入っていきましょう。
事業内容
前述用のように、BtoBプラットフォームという請求書や受発注書類を電子化されたプラットフォームでやりとりできるシステムを構築しサービス提供しています。
BtoBプラットフォームを複数展開しているうち、以下の2つのセグメントに区分しているようです。
「BtoB PF FOOD」と「BtoB PF ES」です。有報には以下のように説明がされています。
まあ、文章だとわかりづらいので、図にまとめて見ます。決算説明資料のサービス紹介図を加工したものが下図となります。
決算状況
2019年の通期決算では、このように増収増益を達成しています。
2020年の1Qでは、増収減益となっています。
これは、もともと2020年度はサーバー強化、人員増加、マーケティング強化と言った費用を使った投資を目指しているので、想定通りという所でしょうか。
ちなみに、この会社、自己資本比率は、85%前後とかなりの厚い自己資本を持っており、ROEも15%以上と収益率もかなり高いです。
ソフトウェアの状況
それではBSを見て見ます。いつも通り、個別のBSを見ます。
このように、ソフトウェア残高が多く計上されています。
固定資産明細では、このように、BtoBプラットフォームの開発費用が多く計上されています。電子プラットフォームがサービスの基幹であるため、ここに多くのリソースを費やしているということでしょう。そして、利益も出しているため、資産計上する要件は十分に満たしている所でしょうか。
しかし、セグメント別に見ると少し異なる事情が見えてきます。
BtoB PF ES事業(請求書、商談システムなど)に関しては、各事業が赤字のためか、計上していたソフトウェアを減損処理しています。両方とも、使用価値を0として評価ということなので、現時点では将来CFがプラスになる見通しが立っていないということでしょうか。
このように、FOOD事業は大きな利益を出している一方で、ES事業は四半期ベース、通期ベース全て赤字となっています。
税効果会計の箇所を見て見ます。
「減価償却超過額」との項目だけなので、これだけだと詳細は不明です。
おまけ
インフォマート社は、会社としては大きな利益を出しつつ、事業単位でみるとまだ赤字の部門もあり、これから収益化を目指していくと思います。
特に冒頭にも触れたように、コロナの影響でリモートワークが拡大していることに伴い、電子化というのが注目のテーマとなっていて、電子プラットフォームのニーズは拡大していくと考えられます。
2020年は将来の収益化に向けて大きな費用を使うため一時的に減益になる見込みですが、来年度以降大きな収益を生む土台になると思います。
赤字の事業に関しても、今後黒字化していけば、ソフトウェアの計上が始まっていくのではないかと考えられます。
これからの成長に期待です。
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