ソフトウェア比率のデータ
さて、今日もソフトウェアの話題ですが、いつもと違って、一定の業種の中からソフトウェアの比率を並べて、状況をみていきたいと思います。
下記が、証券の分類で「情報・通信業」に属する会社約550社のうちから、総資産に占めるソフトウェア(仮勘定含む)の割合の上位10社を示したものです。
金額単位:千円
抽出条件
証券分類 情報・通信
2019年9月から2020年8月の期間に提出された有価証券報告書の連結決算(連結がない場合は個別)の年度決算数値をベースに計算
連結財務諸表の「ソフトウェア」「ソフトウェア仮勘定」の合算値を「総資産」で割った比率
第1位 株式会社いい生活
いちばん比率が高いのが「いい生活」という不動産むけテック企業ですね。
55.43%という総資産の半分以上をソフトウエア(仮勘定含む)が占めている形です。
事業内容としては、不動産事業向けのITサービスのようです。
「クラウド」「SaaS」といった今時のワードが載っていますね。
ビジネスの枠組みとしては、自社で制作したシステムの利用者を増やして売上を上げていく形でしょう。そのため、システムの制作・改善などがメインとなるためソフトウェアの資産計上の金額が大きくなっているのだと考えられます。
業績の状況について、直近の開示決算データである、2021年3月期の1Qの決算説明資料をみてみましょう。
コロナによる影響はプラス・マイナスにもそれほど大きくはなかったのでしょうか、売上は前年同期比で若干プラスとなており、有料課金の法人数も増加しているようです。
傾向からすると、今後もシステム投資を続けていく方向性でしょうか。
資料15ページにはこういった資料もあります。
営業CFで獲得したキャッシュ分をシステム開発に費やすという方向性のようです。売上・利益が成長して、もっと営業CFが増加していけば、より多くのシステム開発を行い、ソフトウェアの資産残高も増えていくのかもしれません。
第2位 ビープラッツ株式会社
2番目に比率が高かったのは「ビープラッツ」という会社です。こちらの会社も、総資産の半分を超えている資産残高になっています。
Bplatsというサブスクリプションを導入する企業向けのシステム提供をしている会社のようです。
こちらの決算説明資料の24ページ目にあるこちらの図を見るとビジネスモデルが分かりやすいのではないでしょうか。
このプラットフォームのシステムが会社の事業であるため、開発に多くの投資をして、ソフトウェアの資産計上額も大きくなっているものと思われます。
業績としては、前期は赤字でしたが、2021年3月期は黒字化を想定しているようです。
「サブスクリプション」が世の中的にどんどん広まっているので、それに合わせて、同社のサービスも活用される範囲が今後広まっていくのではないでしょうか。
第3位 株式会社ガーラ
3番目に比率が大きかったのは「ガーラ」です。ソフトウェア資産比率は47%と、総資産の半分近い金額です。
オンラインゲームなどを制作している会社ですね。
ただ、業績の方は残念ながら、あまりよくは無く、ずっと赤字が継続している会社です。継続企業の前提の注記も記載があります。
この状況で総資産の半分近いソフトウエア残高があることが若干の驚きですが、今後の収益性の見込みがあるということでしょうか。
ちなみに、このソフトウェア残高が全額減損処理すると債務超過になりかねない状況ですが、、、ヾ(´゚Д゚`;)ゝ
まあ、その辺りは機会があれば別のところで触れていきましょう
とりあえず、今回は、情報通信業に絞ってリストは上位10社を挙げてみて、3社の事業について少し調べてみました。
今後もう少し情報を集めて、いろいろな角度から分析なども進めてられれば良いかなと考えています。