収益認識 商品券等の前受方式
今回は商品券やプリペイドカードなどの会計処理について触れていこうかと思います。
商品券などは使用したことのある人も多いのではないでしょうか?プレゼント用に購入したり、もらったりなど、色々なケースで使ったりするかと思います。商品券そのものではなく、Quoカードとか図書カードと言ったものの形式が最近は多いですかね。また、SuicaやPasmoなどは、プリペイドカードして多くの人が使用しているかと思います。
多くの人は、使用側ですが、それらを発行する側の方は、それらの商品券等の売上を計上するのでしょうか?
このあたりの議論は従来からあるような有名な論点でもあるので、例えば、「商品券の会計処理」のように述べられているところが多いです。
ざっくりと時系列を表すとこんなイメージでしょうか。
役務提供が完了するのは、商品券の販売時ではなく、商品券と引き換えに商品やサービスを提供した時点なので、その時点で売上計上する、というのがあ流べき処理のようです。
また、プリペイドカードに関しては、2008年に金融庁から、プリペイドカードなどについての会計処理についてのレポートが出ています。
4-5ページ目のところで説明がありますが、プリペイドカード・商品券について、販売時には売上計上せずに、前受金として負債計上し、使用された時に、使用分を売上計上するのが一般的な事例、というように説明しています。
また、各基準ごとの取り扱いを11ページ目にまとめています。
見ての通り、基本的には、どの会計基準でも取り扱いは同じ、ということですね。
役務提供等のサービス提供側の義務が果たされた時点はどこかというと、商品券なりプリペイドカードが実際に使用されて、商品・サービスの提供を完了した時点、ということとなります。
なお、税務上の取り扱いについては、法人税法基本通達の2-1-39に「商品引換券等の発行に係る収益の帰属の時期」として説明されているようです。
ちなみに、私は以前、あるサービス提供する会社に関っていた時がありましたが、そこではそのサービスに関する回数券を発行していました(例えば、10回分の料金で、11回使用できる券を購入できる、みたいなもの)。従来は回数券の販売時に販売金額を売上計上していたのを、監査法人の指摘によって、回数券の使用時に処理を修正させられた、みたいなことがありました。回数券も商品券の一種ですからね。
さて、次回もちょっと収益認識の話に関して寄り道が続きます。
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