ペーパーレスの未来 電子帳簿保存法②

前回、電子帳簿保存法の話に触れました。

こちらの記事にある通り、改正による条件緩和のためか、電子帳簿導入企業数がここ最近で増加しているようです。

規制緩和の効果は明らかに
スキャナ保存の国税承認件数が 7 倍に拡大、1000 件を超えました
2016 年度税務統計による 

1ページ目のグラフの伸びをみてもわかるように、一気に増えた!という印象があります。(余計なことかもしれませんが、このタイプのグラフには縦軸の数値表示を入れるのが原則かと)

ただ、増えてはいるものの、日本全国の会社数に比べればほんの一握りの数にしか過ぎない状況です。もちろん、今後、時間が経過していけばどんどん増えていくとは思います。

何が導入のハードルになっているのかは、おそらくは、ここのあたりがネックになっているのではないかと推測されます。(というか、実際いくつか聞いた声でもあるのですが)

法令上、「適正事務処理要件」というのがあり、いったんスキャンなどの電子化すれば、そのまま原本の紙を自由に廃棄して良いか、というとそういうわkでもないです。

こちらの解説資料の20、21ページの所にも記載がありますが、紙の原本を廃棄する前に、事後検査として受領者、経理処理者以外の者が、原本と電子データのチェックを行う必要があります。

もしこのチェックが漏れていたりして、法令に即したデータ保存ができていなかったりすると、ペナルティが発生し、最悪のケースでは青色申告の取り消しといったこともありえます。(もちろん、些細なミスでいきなり取り消しになるとは思えませんが)

そういったリスクがあることを考えると、電子帳簿保存法の処理の導入に二の足を踏むこと会社も多いのではないかな、と想定されます。

電子帳簿に関わる業務領域は経理部門が関わることがほとんどかと思いますが、経理といった管理部門という立場からすると、リスクがあってもやってみよう、というよりは、少しでもリスクがあるのであれば慎重になろう、というスタンスが多いと思います。そのあたりのチェック体制などが効率的にミスなくできる方式が確立して来ないと、普及の拡大もまだまだ先の話かもなぁ、という感じもします。


補足というか、適正事務処理要件の面白い解説みたいなのがあったので、こちらを紹介

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