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069 細胞壁機能 ―植物の陸上環境適応戦略に学ぶ―


(私の研究はこんな感じです)
植物は5億年前に陸上に進出する際に大気環境に適応するためのさまざまな生体分子の代謝系を進化させ、固有の多細胞体を創り出してきました。その代表的な細胞構造がセルロースやリグニンからなる強靭にして、しなやかな植物細胞壁です。私はこの細胞壁の構築や再編に関わるエンド型キシログルカン転移酵素(XTH)ファミリーを見出し、この酵素の生体内での機能解明と、酵素機能を利用したセルロース繊維の機能開発に興味を持って研究を進めてきました。更に、植物細胞壁研究の一環として、寄生植物であるネナシカズラが宿主に寄生する際の細胞壁動態や、寄生過程そのものの制御に関わる分子機構の解明に興味を持って研究を進めています。

(こんなコラボができたら嬉しい)
植物繊維の物性や化学特性、果実や野菜の食感を決める主要な要素は細胞壁です。したがって、細胞壁の構築や化学修飾を触媒するXTHファミリーの酵素をうまく使うことにより、植物細胞壁の新機能を引き出すことができると考えられます。一方、私自身は、これまで基礎研究のみをおこなってきました。XTHの発見の際に、宝バイオさんに特許を譲渡したのもそのためです。そのような次第で、私自身は、応用研究にはあまり興味がなく、そのままにしてきましたが、定年を迎える時期になり、すこし実装研究にも、興味がでてきました。その点で、コラボができれば嬉しいです。

(私、こんなことができます)
すでに公開されているXTHの特許 (US6120998A - Endo-xyloglucan transferase, P2898499B2、エンド型キシログルカン転移酵素、DE69333812T2)は結局お蔵入りになり、すでに特許が切れています。当時の機能以外に、最近、XTHファミリーに新しい機能があることを見つけましたScientific Reports 7: 46099 (2017)。これらを含め、新しい視点を持った方々とのコラボができれば嬉しいです。 参照: 紙パルプ技術タイムス 61: 63-68
また、ネナシカズラという植物に興味があれば、これもコラボ歓迎です。

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神奈川大学産学官連携課 sankangaku-web@kanagawa-u.ac.jp