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016 酸化分解性ポリマー:酸化剤で分解して水に溶けてしまう新しいプラスチックを提案します

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【私の研究はこんな感じ】   
 酸化剤(典型的には次亜塩素酸ナトリウム:たとえばキッチンハイター)で分解して溶けてしまうプラスチック。使用時はめっぽう強いけれど、使用後は直ちに分解除去できます。これまで、このプラスチックで作ったものの例をあげます:
 分解性接着剤:キッチンハイターをかけると勝手に剥がれる強力接着剤
 分解性塗料:キッチンハイターをかけるときれいな表面になる
 分解性吸水性ポリマー:紙おむつや生理用品に使われる吸水性ポリマーで、キッチンハイターをかけると直ちに水に溶けて流せる
いずれも、高い分解性をもっていながら、使用時には非常に安定であることが特徴です。

【研究の困りごと・こんなコラボをしたい】   
 私は合成屋なので、新しいものを作るのはいいのですが、その性能を評価したり、特に物性を測定することができません。いいものを作ったと思っても、その物性が評価されていないと社会では材料として受入れられません。
 また、材料としての評価のためには数百グラムの大量のサンプルが必要です。研究室で10グラム以上のモノを作ることは大変難しく、材料としての評価が遅れています。
大量合成、物性測定のパートナーがいると助かります。

【私はこんなことができます・こんな提案をします】
 望む性質を持つ新しい化合物の設計とその合成ができます。既存の化合物や材料にない性質を持った化合物や材料がほしいとき、既存のものを混ぜることでそのような性質を出せればいいですが、全く新しい構造の化合物でそれを実現した方が良い場合もあります。そのような分子構造の提案、合成、あるいは、既存の合成法の改良ができます。
 研究で取り扱っている「酸化分解性ポリマー」も、これまでにないタイプの分解性材料です。新しい材料は社会に「居場所」がありませんが、その「居場所」を作ることで社会が良くなるのであれば、その「居場所」を作るように社会が変わるように提案していこうと思います。

【コメント・問合せ】
 
神奈川大学研究支援部産官学連携推進
    sankangaku-web@kanagawa-u.ac.jp