教訓Ⅰ 「音楽」:フォークソング
加川良 かがわ りょう
教訓Ⅰ
1971年
命はひとつ 人生は1回
だから 命をすてないようにネ
あわてると つい フラフラと
御国のためなのと 言われるとネ
青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい
御国は俺達 死んだとて
ずっと後まで 残りますよネ
失礼しましたで 終わるだけ
命のスペアは ありませんヨ
青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい
命をすてて 男になれと
言われた時には ふるえましょうヨネ
そうよ 私しゃ 女で結構
女のくさったので かまいませんヨ
青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい
死んで神様と 言われるよりも
生きてバカだと いわれましょうヨネ
きれいごと ならべられた時も
この命を すてないようにネ
青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい
加川良の「教訓」という歌は、1971年に発表されたフォークソングであり、
当時の社会情勢や人々の心理状態に深く訴えかける内容となっています。
この歌は、戦争や国家のためという名目で命を投げ出すことの虚しさや、
そのような状況から身を守ることの大切さを、
ストレートでユニークな表現で伝えています。
「命はひとつ、人生は1回」というシンプルで強いメッセージは、
自らの命の重要さを再認識させます。戦争がいかに悲惨なものかを訴え、
そのために人々の命が犠牲になることの愚かさを訴えます。
「御国のためなのと 言われるとネ」という部分は、
国家や社会が個人に押し付ける理不尽さやプレッシャーを表していて、
それに従うことの危険性を警鐘しています。
また、「命のスペアはありませんヨ」というフレーズは、
人間にとって命は取り替えがきかない唯一無二のものであるという真理を突きつけます。
これは、自分の命を大切にするというシンプルながらも根幹にあるべき考え方を表しています。
この歌は、戦争や社会的な圧力によって命を犠牲にすることの否定だけではなく、
個々の人間の尊厳と命の価値を強調しています。
個人として生き残るための賢明な行動、例えば「青くなってしりごみなさい にげなさい かくれなさい」
という行動指針を提案しています。これは、直面する危険から身を守るためには、
逃げることも隠れることも正当な手段であると説くものです。
教訓は、その時代だけでなく、現代にも通じる普遍的なメッセージを持っています。
個人の命の価値や自由を尊重し、社会や国家に盲目的に従うことの危険性を表しています。
彼の歌は、自らの信念を大切にし、命を守るために慎重に行動することの重要性を歌っています。