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【所信表明】1分だけとぶ

 小学3年生の時に友達と野球の話をしてたら、急に女の子が俺たちの前に来て「あんた野球バカになるよ」とだけ言って教室を出て行った。その次の授業でその女の子は教科書で隠しながら鼻くそをほじっていた。

 文章にするとものすごくシュールになる。そんな出来事が子供の頃は多くあったなあ、とふと思う。

 たまに吹くそよ風だけが頼りの真夏の教室の中。ふいに友達が下の毛をハサミで切って僕に見せてきた。かなり大胆に切ったのか、束になっていた。友達はその束を上に投げた。下の毛はそよ風に乗って、窓から外に出て行った。

 若い時は自意識過剰だから恥はかきたくないくせに、恥ずかしいことを恥ずかしげもなくやっていた。今でいう酔っ払っている時に近い状態だと思う。鼻くその話も下の毛の話もノンフィクションだ。

 明日の仕事のことを考えるだけで憂鬱な気持ちになる。だけど何年も前のことを思い出すだけで、今を忘れることが出来る。大人になった自分と乖離しすぎていて、物語のようだから。
 1日の中で少しだけでも、物語の中に頭を飛ばす時間があった方がいい。

 1分だけとぶ。たった1分だけ、今を忘れて心のバランスを保つ。そんな1分で読める文章を書いていきたい。


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