やまがた百名山 西吾妻山(にしあづまやま)前編 -濃霧、孤独、残雪-
西吾妻山は標高2,035mの山で、吾妻連峰最高峰の山です。
日本百名山及びやまがた百名山に指定されています。
私がこの山に初めて登ったのは9年前。高校生の頃、山岳部の活動で登りました。
4月から再び東北で暮らすことになり、近場の百名山で西吾妻があったため
若き高校時代を思い出しながら、久々にこの山に登ってきました。
高校時代に登っていたため、今回も余裕だろうと考えていましたが、シーズン外に行ってしまったために今回は二度登りにいくことに・・
初めは5月下旬に登りにいきました。
西吾妻山へ最短で行ける登山口までのロープウェー・リフトは、まだ運休中。事前に調べてはいたので、慌てることは無かったのですが、施設は閉まっていて人の気配もありません。ちょっと不安になる。
気を取り直して湯本駅から新高湯温泉まで林道を歩き、そこから登山道に入り天元台高原に向かいました。
新高湯温泉は、吾妻屋旅館という一軒宿があるのみで、まさに秘湯です。
コロナの関係で日帰り入浴はできなかったのですが、いつか宿泊してみたいなぁと思いながら通り過ぎました。
30分程度登り天元台高原に着きました。
シーズンオフのスキー場は、物寂しいです。人は誰もいません。
天気は午後から悪くなる予報でしたので、スキー場の上方は霧に覆われています。
単独行だから一人になるなのは当然なのですが、周囲に誰もおらず、霧の中たった一人だとさすがに不安になります。
ひとまず行けるところまで行こう・・無理せずに。
スキー場を一気に登っていきます。リフトが動いていたら・・なんて考えずに無心で登っていきます。
1時間半でリフト終点に到着しました。ロープウェーの湯本駅の標高が約920m、リフト終点(北望台)の標高が約1800mであるため、意外と登りました。足はガクガク。もしロープウェーとリフトがなければ、西吾妻山は体力的に結構難しい山だったのではないかと思います。
さて、登山口はどこかな・・と探してみましたが、夏道が見つかりません。想像以上に残雪がありました。
念のため、軽アイゼンは持って来ていたので少し雪の上を歩いていましたが、夏道の赤テープがなかなか見つかりません。
コンパスと地図、スマホのGPSを駆使すればある程度上まで登れたかもしれませんが、自分のルートファインディングにそれほど自信が無かったため、今回は北望台で引き返すことにしました。天候はだんだん悪くなり、霧も一層濃くなっていきました。
誰も人がいないことによる不安な気持ちがピークに達し、山から逃げるように下山しました。
下山後は、白布温泉の湯につかり、無事に下山出来たことにホッと安堵のため息。やはり単独行は人の多い山や時期を選ばないとリスクが高そうです。
今度は、ロープウェーとリフトが動き登山者が多くなる時期にまた行こうと心に決め、帰途に就いたのでした。
後編に続きます。