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貸借対照表の分析③

今回も貸借対照表と損益計算書を組み合わせた分析について書こうと思います。

貸借対照表は借方に資産、貸方に負債、純資産という構成になっていることは既に書きましたが、貸借対照表を見るうえでもうひとつの見方があります。

それが以下の図解ですが、貸方が資金の調達方法、借方が資金の運用方法です。

資金の調達と運用


どのように資金を調達してそれをどのように運用するかという見方になります。

調達は、自己資金、株式上場、銀行借入などが代表的な調達方法ですね。

自己資金が一番リスクやコストは少ないですが限界があります。

株式上場の予定がなければ銀行借入に頼らざるを得ません。

いかに低金利で調達するかが重要ですが、ここで損益計算書の利益率との分析がでてきます。

例えば3%の利率で資金調達して、営業利益が2%しかなければ、資金運用としては失敗ですよね。

分析指標としてROAがよく使われますが、総資産利益率です。

 ROA=当期純利益➗総資産

で表されますが、運用資産でどれだけの利益が生み出せているかを見ています。

ROAが高ければ効率よく企業運営出来ていることになります。

また、ROAは、利益を上げるか総資産を圧縮することで高くすることが可能であることもわかります。

利益を上げるには、売り上げを上げる、経費を削減するということですがそのためにすべきことは損益計算書の分析のところで色々と書きました。

総資産を圧縮するためには借入金を返済する、在庫を削減する、遊休資産を除却するなどがあります。

総資産回転率を上げることにつながります。総資産回転率は

 総資産回転率=売上高➗総資産

で表されます。

結局は先ほどのROAを上げるのと同じなのですが、この指標を目標にするのもいいと思います。

特に製造業など借入金や固定資産が多いビジネスモデルでは総資産回転率を上げることで、効率よく売上を生み出せていることになります。

効率よく売り上げを上げて、適正な利益を生み出し、借入金の返済や新たな投資に回すことで事業が順調にぐるぐる回っていきます。

このように貸借対照表の分析は、売上や利益がよく絡みます。

ただ指標はあくま企業の活動を定量化するためのものなので、目標にするのはいいですが、目的にならないようにしなければならないと思います。

指標を比較して増減を分析し、数字だけではわからないことを確認するこの繰り返しですね。それではまたです。

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