推薦図書_ファクトフルネス③
今回はファクトフルネスを読んで、日本の家電事業が衰退していった要因を考察してみました。
日本は世界における家電販売で他国のライバル企業に大きく遅れを取りました。もはや挽回できない状況でしょう。
SHARPは台湾企業の子会社になり、TOSHIBAは上場廃止し家電製品の製造を行う東芝ライフスタイルは中国企業の子会社に、SANYOはPANASONICの子会社になるなど日本の家電事業は海外企業に買収されるか衰退していっています。
日本の家電が世界で売れなかった理由は日本製品は高級品で手が出ないということでした。これこそファクトフルネスで言う世界を2つに分けて考えてしまっていたのではないでしょうか。
技術力の高さや品質に固執しすぎて、市場全体の動向や消費者のライフスタイルの変化を総合的に捉えられなかったのかもしれません。
グローバル市場でのシェア拡大が難しくなり、競争力を失ったのでしょう。
一方、世界のライバル企業は、ファクトフルネスで定義されている4つの世界に分けて考えていたかどうかはわかりませんが、恐らく2番目、3番目のステージの人たちに気づき、その人たちが必要とする家電を安価で販売しシェアを拡大していったものと想像できます。
日本企業のような高機能、高性能の家電ではなく、少し機能、性能はおとるが手頃な金額で購入できて、使用するにあたって支障がない製品を作っていったのだと思います。
ライフスタイルにあった商品を捉えられていたのでしょうね。
日本企業も恐らく仮説は立てていたと思いますが、その後の検証が甘かったと思わざるを得ません。過度に楽観視していたのかもしれません。
他国のライバル企業は社員がそれぞれの国に何年か移り住み、文化や習慣を肌で感じるようにしていたそうです。そうすることで必要なもの、売れる金額などの情報を収集していったのではないかと思います。
仮説を考えることはとても重要です。ただその検証がなければ、新たな仮説を立てることができません。仮説だけでは単なる思い込みになりかねないということでしょう。
検証した事実を元に新たな仮説を立てるようにすることで事実が見えてくるのでしょうね。
自分の仕事に置き換えることもできるのではないでしょうか。
「ネガティブな本能」によりマイナスのことばかり考えてしまい、新しいシステム導入ができない理由ばかり考えてしまっていないか。
「パターン化の本能」により現状の仕事のやり方に固執し変化することを拒んでいないか。
私自身、自分の仕事、自チームの仕事を見直すいい機会になりました。
ファクトフルネスは「FACTFULNESS先生向けガイド-『FACTFULNESS』の授業の進め方」という冊子の日本語版もあるように学校の授業でも推奨されています。
日本の若者がファクトフルネス思考で大人になってこれからの日本を引っ張って行ってくれれば日本の未来はより明るくなりそうですね。
今回はファクトフルネスについて3回に渡っていろいろと書かせていただきました。今後も良いと思った図書があれば随時紹介していこうと思います。
それではまたです。