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損益計算書の分析②

損益計算書の営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた金額です。

販売費及び一般管理費は固定費になるものが多く、人件費、支払家賃、水道光熱費ほかさまざまな勘定科目で表されます。

損益計算書上の経費を変動費と固定費に分けるのには理由があります。損益分岐点売上を算出するのがひとつの大きな理由です。

損益分岐点売上は次の算式で計算されます。
 損益分岐店売上=固定費÷限界利益率
 限界利益率=1-変動費率
 変動費率=変動費÷売上
 変動費≒売上原価

変動費はほぼ売上原価ですが、販売費及び一般管理費の中にも一部変動費になるものもあるためほぼという表現にしています。仕入に伴う運賃であるとか、売上に変動して支出する広告宣伝費などですが、固定費として計算しても大勢に影響なければ問題ありません。

損益分岐点売上の話しに戻りますが、損益分岐点とは売上と経費(変動費+固定費)が一致する金額、つまり利益がちょうど0になる売上のことです。

これを知ることで、利益をプラスにするための売上の目安が算出できます。売上の目安がわかれば、単価をいくらにするとか、販売数量の目安をどれくらいにするかなどの戦略を立てることができます。

もしくは、どれくらいの売上が見込めるかが先にわかるような商売であれば、固定費をどれだけ使えるかという目安を逆に計算することもできます。

損益分岐点売上の分析では、その売上を求めることが目的になってしまいがちですが、その後の戦略をどう立てるかの方が重要です。

その中で固定費の分析が大きなテーマになってきますが、固定費を下げれば下げるほど損益分岐点売上は小さくできます。

営業利益の話から損益分岐点に話が飛躍しましたが、営業に影響する販売費及び一般管理費は固定費として考えられるためお話ししました。

次回は、固定費としての販売費及び一般管理費のうちの多くを占める人件費と支払家賃について、削減することが売上に対し逆効果になる可能性もあることなど、固定費削減も一筋縄ではいかない点について書いていければと思います。
それではまたです。

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