【レポ】南海汐見橋線に乗ってみた
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南海汐見橋線を知っていますか?
大阪府内にはさまざまな電車が走っています。数年前に民営化してOsakaMetroと名前を変えた地下鉄や、環状線、京都線に代表されるJR、北の方には阪神や阪急、京阪が、南の方には近鉄、南海、阪堺、あとは細かいので省略するけれど、だいたいこれぐらいかな。その中でたとえば近鉄なら南大阪線、奈良線等々あったりするのだけれど、南海にほとんど知られていない線があります。その名も「汐見橋線」。一応南海としては高野線の一部として扱っているらしいのですが、実態としては岸里玉出—汐見橋の間は高野線の他の部分からは隔絶されています。一部の人からは「都会のローカル線」とも呼ばれる汐見橋線ですが、その名の通り、大阪市内を走っています。しかし、なぜ廃線にならないのか?としばしば言われるほど乗降人数の少ない「ローカル線」です。しかも各停しかない。
そんな汐見橋線に乗ってきました。最初はツイートぐらいで済まそうかと思ったのですが、予想以上におもしろかったのでnoteで記事にしてみます。長くなってしまったので、途切れ途切れ読んでみてください。
先に言っておきますが、私は断じて鉄オタではありません。青春18きっぷを使ったこともありますし、こんな感じで鉄オタムーブをかましたりしますが、それはそれとして鉄道そのものには興味がありません。だから、電車そのものについての写真や感想を見たい方は、他の記事を当たっていただけると助かります。
岸里玉出駅
最初は岸里玉出駅です。高野線としては汐見橋駅が始点になるはずなので、汐見橋線としてはここが終点です。しかし、今回はルートの都合上始点としましょう。
岸里玉出駅は高野線と南海本線が交わる駅です。Y字状に交わっているので、駅の北改札と南改札がかなり遠くにありました。汐見橋線はここ。
北にある改札を入り、右に見える階段を上っていきます。完全に外れ。高野線からも隔絶されています。1番分かりやすいのが、高野線が3番4番線にもかかわらず、高野線の一部であるはずの汐見橋線は、付け足されたかのように存在しています。しかも6番線。え?5番線は?と思ったのですが、4番線と6番線の間にある1本の線路、多分貨物用か通過用か何かの線路が5番線らしいです。完全にはみ子。あれ?はみ子って通じない?まあいいや。
時刻表を見ると1時間に2本。きれいに30分間隔。仮にも大阪市内にもかかわらず、これで需要を充足できることにびっくりします。すごい。
西天下茶屋駅
岸里玉出駅の隣の駅が西天下茶屋。ものの数分で到着します。すぐですね。歩こうと思えば歩ける。駅は対面式のホーム。そして岸里玉出からずっと複線!1番びっくり案件。
周りは静かな、その上少し古びた住宅街でした。おそらく人はいる。どこに吸収されているのでしょう。1日平均乗降人数が269人(2019年)とは思えないぐらい人がいそうな土地なのに。地下鉄かな。そしてホームのアスファルトから生えている草。舗装が剥げているといっても過言ではないかもしれません。
それだけの人数しか使用しないにもかかわらず、改札はしっかりIC利用可能。便利。いやでも使う?そんなに使わなさそうですが。ちなみにそんなせいで、というか改札内に歩道橋がないので岸里玉出駅方面のホームに行けません。まあどの駅にも改札内に歩道橋はないんですけど。別にそれ自体に問題があるわけではないのですが、トイレが岸里玉出駅方面のホームにしかありません。困る人もいるかもしれない!!しれないレベルなので特に問題はありません。全駅降り立つみたいなことをしない限りは。私だ。暇を持て余した、(以下略)。
ちなみにベンチはどの駅もこんな感じなのであまり言及しないでおきましょう。強いて言うなら意外と座ってても疲れなさげ。
そういえばですけど、普通は電車が着くときに場内アナウンスがあるかと思いますが、汐見橋線は全線通して聴きませんでした。ただそれでも困らないのは、だいたい駅前後に踏切があるからで、踏切の音が聴こえたら電車が来るというシステムらしいです。それでいいのか?
津守駅
30分後に来た電車に乗ってさらに一駅。次は津守駅です。この駅は意外と周辺に人がいそうです。というのも、
西成高校があったり、
大きそうな公園があったり、
どこの需要に応えてるかわからない立体駐車場があったりするからです。いや駅前になぜ立体駐車場があるの?そら駅の利用者も少ないでしょうよ。
だからお断「わ」りなんてしなくても駅構内にビラを貼るような人はいないと思うんですけど。不思議です。ちなみに西成高校から出てくる人はほとんど自転車でした。チャリ通がメインなのかも。んなわけないか。ちなみにこの駅で1番おもしろかったのはトイレ。正確には小便器。だいたい今のトイレって自動で水が流れるし、そこまで進んでなくてもボタンを押すだけなのですが、ここは蛇口。本当に蛇口。写真撮ってないけど。捻る必要があります。つまり、止める必要もあります。手間が多い。面倒。
西天下茶屋駅では歩道橋がなく対岸のホームに行けなかったのですが、この駅では解決されています。なお、歩道橋ではなく構内踏切です。大阪市内で見るとは思わなかった。田舎の、本数がかなり少ない線で見るやつですよね。はいそうです。そうです。それで済みます。
木津川駅
やばい(迫真)
ね?
やばいでしょ?汐見橋線で最も乗降人数が少ないと言われている駅、木津川駅です。周囲は高速道路、工場、そして「草原」です。草原。
本当に草原。汐見橋線の中で圧倒的にアスファルトに生える草が多く、改札を出て最初に見る景色がこれです。空地の向こうに工場。大阪市内?Yes, it is.もちろんこの駅にも構内踏切があるのですが、島式ホームの都合上片方だけにしか影響しません。つまり、構内踏切は1時間に2回しか閉まりません。しかも無人駅。つまり、
こうやって線路上からの写真が撮り放題です。
ちなみにこの駅、現在使用されている線路だけでなく、10mあるかなぐらいの短い線路があります。つまり一時的に3路線あります。これは貨物線の跡らしいのですが、今では草が生い茂っているだけでした。かわいそう。いや、本線も草が生い茂っているので問題ない。ない?え?まあいいか。そしてこの時期特有だと思いますが蚊が多くてベンチに座ってられません。この駅で待つ場合は座らず立って動き回るようにしましょう。どうせ変な目で見られません。というか、変な目で見る人がいません。
芦原町
残り2駅になりました。芦原町です。芦原橋ではありません。GoogleMapsいわく歩いて4分らしいです。そら汐見橋線使わず芦原橋に流れる。
この駅は高速道路と住宅に挟まれています。周りが草原と工場だった木津川駅とはえらい違いです。にしてもこんなに駅にぴったりくっついた家ってうるさくないんかな。そうか1時間に2本か。ならちっちゃい子どもでもいない限り問題なさそう。
そしてこの駅には不思議なルート(?)があって、改札向かって左、ホームの裏にこんな道があります。なぜ?開放してていいやつ?
入ったけど問題なかった?
駅構内から駅の背後を取ることなんてめったにないので、変な嬉しさがありました。
ちなみに構内踏切の線路上から見るとこんな感じ。汐見橋線の他の中間駅に比べると奇麗。だからってどれだけなんだと言われると疑問符ですが。
汐見橋駅
終点汐見橋駅です。本来は始点だけど。この駅は岸里玉出駅以来の有人駅です。書いてなかったけどこの間全部無人駅でした。どうなってんねん。本当に大阪市内?そして有人駅であるがゆえにトイレもちゃんとしています。逆に言うとここまでちゃんとしたトイレがなかった。本当に大阪市内?
この駅は他と違ってタイル張りです。多分唯一。そのおかげか剥がれて草が生えたりとかもありません。有人駅のなせる業か。
正直この駅に関してはあまり書くことがありません。強いて言うなら難波まで徒歩10分程度。誰が使うんだこんな駅。ごめん言い過ぎた。先に謝っとく。
まとめ
「大阪市内のローカル線」とも言われる汐見橋線ですが、なんとなく理由がわかったような気がします。だいたいの駅にはより便利な代替路線があり、もしくはそもそも人がいません。正直なぜこんな路線が未だに生き残っているんだという話も聞こえてきそうですが、何か理由があるのでしょう。
特にこの路線を使う必要のない私にとっては、というかほとんどの人にとっては、ノスタルジーやおもしろがるためにしか使いようのない線です。乗った感想としては、都会にもかかわらず「都会の喧騒から離れた」という言葉が似合います。鉄オタではない私でも、街並みや駅を見るだけで楽しめる、ある意味特殊な線です。1日暇でどうしようもないときにいかがでしょうか。
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