GABBAのシーンをもう一度見つめ直す回
"ハードコアテクノ"と呼ばれた「GABBA」の発祥
オランダは世界屈指の貿易街でもあるロッテルダム。
1992年にそこで産声をあげたのが初めてのGABBA専門レーベル「Rotterdam Records」。
海を超え日本にもGABBAの魅力はしっかりと伝来。
日本各地でGABBAに特化したイベントが開催されていたようです…が、
その流行りも短命に終わり、当然今のご時世にSNSで"GABBA"という単語はなかなか見なくなりましたね…。
しかし個人的には、年に数回あるGABBA週間(衝動的にGABBAが聴きたくなる時)が来るため、ここに記録を残すことにします。
EUROMASTERS
上記で書いたRotterdam Recordsから世界で初めてGABBAのレコードをリリースしたユニットがこのEUROMASTERS。
(↓音量注意↓)
正気とは思えないほどのテンションと音のデカさ。
ひとつひとつの音の主張が激しすぎて、ハンバーグとカレーライスとラーメンが同じテーブルで戦っているかのような音楽。
この曲に存在する音で一つとして細い音楽は存在せず全てが極太、聴いたあと耳鳴りが止まらないかと思うほどの騒音と音割れ。
シンプルかつ豪快な展開、本人たちはめちゃめちゃ真面目かと思いますが、ブチぎれたバカっぽさをテクノで初めて表現した貴重なユニットである事は間違いありません。
1998年に来日したライブ映像がこちら。
バッキバキに音割れしていますが、それがまためちゃめちゃかっこいい。
Rotterdam Termination Source
GABBAの曲では一番有名だと思われるこのRotterdam Termination Sourceの「Poing」。初めて聴いたときは「こんな曲あってたまるか!」と理解が追い付かなかった超名曲。
電気グルーヴの間では通称「バネ」として呼ばれていたこの曲ですが、聴いたら最後、永遠に耳に残るであろう「ポイン、ポイン、ポイン」のループがとても心地よく、軽いスネアと早すぎず遅すぎずのリズムが虜になります。
恐ろしいほどバージョン違い、リミックス盤が出ていると思いますが、個人的には「Jump A Little Higherバージョン」が好きです。
一つ疑問に思ったのがこの「ポイン」という音。本当にバネの音なのか何の音か分かりませんでしたが、奇跡的にこの曲をスタジオで披露している動画があり見た瞬間に爆笑。
"口琴(こうきん)"という口で挟み棒を振動させ音を発する楽器で演奏(しかも全て人力)しており、よりこのユニットが好きになったことは言うまでもありません。
↓人力テクノの到達点がここに↓
アリラン明電(李博士 + 明和電機)
韓国ミュージックのルーツであるポンチャックの雄、李博士(イ・パクサ)と明和電機が組んだユニットが「アリラン明電」です。
"ポンチャック"と言えば、今や韓国を飛び出し世界的にも爆発的な人気を誇る『NewJeans』の楽曲プロデューサー『250(イオゴン)』も、自身のルーツがポンチャックだとインタビューで語っています。(日本で言うと演歌みたいなもの?)
韓国で産まれた大衆音楽ポンチャックと、約9000キロ離れたオランダはアムステルダムで産まれたGABBA。これをクロスオーバーさせた李博士はやはり偉大ですが、どこの誰からの影響でGABBAを知ったのかはとても興味深いですね…。
(↑↑久しぶりに自分のYouTubeアカウント動かしました。今後もアップする予定なのでチャンネル登録してもらえれば嬉しいです)
李博士関連の動画は漁れば漁るほど面白いのでこちらもよければ。
▼李博士の八十日間世界一周ポンチャック▼
https://www.nicovideo.jp/watch/sm2493341
リッジレーサー
リッジレーサーとは1993年に当時のナムコが発売したアーケード用のレースゲームのこと。
すでに1993年には日本にGABBAが到達し、ゲーム音楽にも使用されるというなんともスピード感がある流行り方もいいですね。
作曲者は後の「beatmania」「ポップンミュージック」にもサウンドを提供した、音楽作曲家の神こと細江慎治。
当時の子供はこれを聴きながらレースゲームしてたんですか?!
狂人を育てているようなもんですね…。
世界各地(?)に飛び火したGABBAの現在
ユース向けのデジタルメディアを配信している「VICE」がコロナ前の2019年にアップした動画がとても興味深いものでした。
当時のイギリスではクラブが次々と閉店し、自分の居場所が無くなったイベントのオーガナイザーやDJは、スクワット・レイヴ(倉庫や無人の建物で行うパーティー)を開催し音楽を楽しんでいたということ。
そしてなぜかそのスクワット・レイヴでかかっている音楽がGABBAだということ。
この動画は2019年のものですが、2025年の今も世界のどこかでGABBAがかかっていれば嬉しいですね。
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